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永住韓国人の地方参政権

日韓協が早期立法化求め決議



地方参政権の早期立法化を求める
決議をした日韓親善協会の総会

■日韓協中央会がソウルで総会

 【ソウル】日韓親善協会中央会(三塚博会長)の99年度年次総会が6月29日、ソウル市内のホテルで開催され、三塚会長を再選するとともに、永住韓国人の地方参政権早期立法化を求める決議を行い、民団が全組織を挙げて展開している地方参政権獲得運動を全国都道府県の日韓親善協会とともにさらに積極支援・協力していくことを決めた。

 また、訪韓団一行と歓談した金大中大統領は、21世紀に向けて韓日友好のパートナーシップを確立するためには(1)天皇陛下の訪韓実現(2)2002年W杯の成功(3)在日韓国人の地方参政権確立が不可欠であり、日韓協役員への支援を呼びかけた。

 日韓親善協会がソウルで総会を開催するのは13年ぶりで、中央会の役員、地方協会の幹部ら201人が参加した。


■地方協会と一体で働きかけ

 民団からも辛容祥中央本部団長や地方本部の代表らが激励に駆けつけたほか、韓日親善協会からも金守漢会長ら多数の役員が参席した。

 冒頭、三塚会長はあいさつの中で、二次にわたる韓日首脳会談の成果を踏まえ、「年次総会がソウルで開催できたことを意義深く思う」とし、在日韓国人の地方参政権付与問題についても「党(自民)の政調会長に強く要請している」ことを明らかにした。

 来賓あいさつで辛団長は地方参政権問題が現在、国会での立法化審議の段階に至っていることにふれ、三塚会長をはじめ全国の地方協会幹部に対し、謝意を述べた。

 事業計画では特に、民団が全組織を挙げて展開している地方参政権獲得運動について、全国の日韓協地方協会とともに積極支援・協力していくことを確認。「在日韓国人地方参政権獲得推進委員会」の充実化を図りながら、(1)各地方協会の総会で早期立法化を求める決議をする(2)立法化へ政府、政党、議員へ働きかける(3)各地方協会に推進委員会構成(4)各自治体に意見書採択を働きかける(5)学者、文化人、法曹界で「100人委員会」を構成などを展開していくことを決めた。

 また、定住韓国人の地方参政権早期立法化を求める決議文を満場一致で採択した。

 決議文では(1)在日韓国人は昨年10月の韓日共同宣言で示された「韓日両国民の相互交流・相互理解のための架け橋」的存在(2)最高裁判決と地方議会での意見書採択、全国世論調査の結果を尊重すべき(3)2002年W杯成功へパートナーシップ確立のため――の3項目を強調し、早期立法化を求めている。

 この他、事業計画では2002年W杯のムード作りへ高校生による青少年交流訪韓団を実施することや、韓国側の韓日協と連帯を深め、学術文化、大学生の交流を拡大していくことなどが申し合わせた。

 総会後、金守漢韓日親善協会中央会長による「21世紀に向けた韓日関係」をテーマにした特別講演が行われた。


■参政権実現へ最大の支援を
 金大中大統領が一行に訴え

 年次総会のためソウルを訪れた日韓親善協会の役員一行は6月29日の総会後、青瓦台に金大中大統領を表敬訪問した。

 大統領は歓迎あいさつの中でこの間の韓日親善の労をねぎらいながら、21世紀に向けて韓日友好のパートナーシップを確立するためには(1)天皇陛下の訪韓実現(2)2002年W杯の成功(3)在日韓国人の地方参政権確立が不可欠だ」と強調、「そのためにも日韓協みなさんの支援を願いたい」と呼びかけた。


■金鍾泌首相参加し合同親善大会

 同日、夜には、韓日・日韓親善協会合同による「親善大会」レセプションが行われ、韓国のギョンウォン大学による音楽会をはじめ、金鍾泌首相や小倉和夫・駐韓日本大使、金ボンホ・韓国国会副議長らが激励に駆けつけた。

 金首相は「今、韓日は1965年の国交正常化以来、最高の関係を維持している。両国国民が新たな関係を構築した土壌の上で手をつなぎ国民的交流の新時代を開こう」と呼びかけた。

 この後、このほど日本政府から「勲一等旭日大紋章」を叙勲された金守漢会長に対し、日韓協中央会からお祝いの記念品が贈られた。

 一行は翌日、民団中央の辛容祥団長主催の朝食会に参加した。

(1999.07.07 民団新聞)



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