民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
支部活動の一層の強化を



 民団は来週、3年ぶりにソウルで全国の支団長を集め会議を開きます。

 組織の第一線で活躍する支団長が一堂に会し、支部での成果的な活動や様々な経験を土台に交流し合うとともに、今後の活動に生かしていこうとするもので、大きな成果が期待されます。

 3年前の支団長会議では、参加した支団長から支部運営上の経験談が数多く出され、また共通の悩みを克服していくための行動提起が行われました。結果として、創団50周年を期して全国的に展開された「120日間運動」の推進に大きな役割を果たしました。


■団員と直結する支部

 在日同胞社会が直面する課題に対し、各支部間での統一的な意思と行動が求められています。その点、今回の支団長会議は大きな担保となることでしょう。

 支部は民団の基本組織であり、団員との日常的な接点です。民団の諸活動の窓口であると同時に、あらゆる組織活動の原点でもあるのです。

 在日同胞が根を下ろしている地域社会にあって、同胞の生活上の具体的な要求や活動上の要望を集約し、実現していくところに支部組織の役割があります。

 第一線に立つ支団長の前向きな意識と活動如何によって、民団組織と在日同胞社会の発展が左右されるのは当然のことでしょう。全国支団長会議を機に、支団長はこのことを今一度肝に銘じてほしいものです。

 創団以来、支部組織は日本の全国津々浦々で在日同胞に韓民族としての誇りを持たせ、親睦を図るとともに同胞の権益を向上させ、また祖国の発展を期して率先して活動してきました。

 中でも1970年代以降、住宅入居差別の撤廃や児童手当の獲得、国民年金制度への加入、指紋押捺制度の撤廃など、在日同胞の生活実態に即した権益を擁護するのに大きな力を発揮してきました。


■きめ細かい活動推進を

 支団長をはじめとした支部幹部の率先した働きなくして、これらの活動は成し得なかったに違いありません。時間的にも身体的にも、また財政的な負担もしながら民団事業と同胞らに奉仕している支部幹部には本当に頭が下がる思いです。

 同胞社会において今や圧倒的な影響力を持つに至った民団に対しては、同胞から「民団に行けば何とかなる」との絶対的な信頼を得ることが求められています。

 21世紀を目前にした今日、民団にはこれまで以上により開かれた組織、同胞により密着した組織になってほしいとの声が数多く寄せられています。

 そのためには、支部幹部が地方参政権運動や信用組合問題、民族教育、同胞の結婚問題、総連との和合など、民団の現在の取り組みや課題を団員に直接伝え、団員からも民団に対する意見や要望に真摯な姿勢で耳を傾けることが必要でありましょう。

 それでこそ組織と団員との絆が強まり、いざという時に「民団は頼りになる」ということになります。団員の生の声を聞くことで、これからはより団員に身近な組織運営を図っていこうではありませんか。

 支団長会議では、全国的な課題である地方参政権運動の推進と信用組合の育成はもちろんですが、同胞から信頼される組織作りをいかに進めていくかも十分に検討してもらいたいものです。

 全国の支団長が一堂に会する機会をぜひ有意義に活用し、民団組織が一層強化されることを期待したいものです。

(1999.07.14 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ