民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
定住韓国人の地方参政権

民団、国会審議控え立法化要望
自民党・池田政調会長に陳情



池田政調会長(左)を訪れ、
早期立法化を要望する辛容祥団長(中央)
と金宰淑副団長(右)

 永住韓国人への地方参政権付与を求めて挙団的に活動を展開している辛容祥中央本部団長は十五日、自民党の池田行彦政調会長を訪れ、早期立法化を求める要望活動を行った。同問題はすでに、衆議院の政治倫理及び公職選挙法改正特別委員会に付託されているが、与党側が「もう少し勉強したい」という理由によって実質審議が先送りされている状況を受けて要望を行ったもの。池田政調会長も党の選挙制度調査会を通じて真剣に取り組んでいくことを表明するなど、地方参政権問題の本格審議入りが間近に迫っていることをうかがわせた。

 辛団長はじめ金宰淑副団長らは、自民党本部に池田政調会長を訪ね、現在衆議院に付託されている永住韓国人への地方参政権問題の早期立法化を求めた。

 辛団長は、在日韓国人が地域住民として地域社会の発展に貢献している状況を語りながら、国会審議を通じて一日も早い早期立法化を要望した。

 これに対して池田政調会長は在日韓国人が地域住民として貢献している状況を高く評価しながら、一部の根強い慎重論がありながらも特別プロジェクトチームを経て自民党の選挙制度調査会で検討する段階にまで進んでいると明らかにするなど積極的な姿勢を見せた。また、日韓議員連盟、日韓親善協会のメンバーとともに「真剣に取り組んでいかなければならない問題」と述べた。

 池田政調会長への陳情書は、(1)昨年十月の日韓共同宣言で意見の一致を見た「日韓両国民の相互交流・相互理解のための架け橋」として、日本社会の発展に寄与している在日韓国人の地域住民としての願いを理解してほしい(2)最高裁判決と全国地方自治体議会の意見書採択状況および全国世論調査結果等を尊重し、日韓友好親善の歴史をつくって来た自由民主党の力で決着されるよう強く要望する(3)二〇〇二年W杯共催、また天皇陛下の一日も早い訪韓を成功裡に導き、「二十一世紀へ向けた新たな日韓両国のパートナーシップ」を確立していくために――永住韓国人の地方自治体選挙権問題を一日も早く解決するよう強く要望するとしている。

 永住韓国人への地方参政権付与問題は、すでに野党側から議員立法として国会に上程されており、現在衆議院の政治倫理及び公職選挙法改正特別委員会に付託されている。また、五月に行われた民団の全国代表団陳情活動で自民党の森喜朗幹事長は「日韓首脳会談で再三議題にされている。小渕首相からも党内を早急にまとめるよう指示されている」と政治決断の時であると示唆している。野中広務官房長官も「民団からの強い要望がきている。真剣に取り組まなければならない」と表明した。

 一部に北韓につながる朝鮮総連傘下同胞への参政権付与に対して慎重論は残るものの、これら自民党幹部の積極的な発言から見て、付与すべきであるという意見の集約に向けて党内の調整努力が続けられていると見られている。

(1999.7.21 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ