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民団など、駐日企業の就職説明会開く

14社に求職者250人が殺到
即戦力求める企業に自己PRも熱心



会場を埋めた全国からの求職者

 語学力は当たり前、駐日韓国企業の求める人材はプラス「即戦力」。十六日、韓国中央会館で開催された今年の「合同就職説明会」に参加した駐日韓国企業は、一部を除いて少数精鋭主義路線を前面に押し出していた。韓国経済はようやく回復基調に向かいつつあるとはいえ、長引く不況に駐日韓国企業の採用門戸も依然狭いようだ。

 民団中央本部と駐日韓国企業連合会が主催した今年の「就職説明会」には、全国各地から二百五十人の在日同胞青年、及び韓国人留学生らが参加した。一昨年に続いて二回目の開催。

 昨年は韓国国内での外貨不足から始まった経済危機の影響を受け、日本国内の三割に及ぶ駐日韓国企業が撤退するなど苦しい一年だった。残った企業も大幅な人員削減に踏み切って、難局を乗り切ってきた。それだけにこの日の「就職説明会」に臨んだ十四社も、日本三星などごく一部を除いて採用予定人員はいずれも「若干名」だった。

 会場には十四のブースが設けられた。各ブースとも十人分ほどの席を設け、訪れる学生に企業概要やどんな人材を望んでいるかについて説明、さらに質問にも答えていた。

 千葉からきた朴正人さん(30)は開口一番、「会社の(要求)レベルが高い」と浮かぬ顔。朴さんは母国修学経験の持ち主。韓国には約六年間滞在した。ウリマルには不自由がない。これに対して企業の側では、一様に「入った後、何ができるのか」を学生側に求めていた。

 総合商社、雙龍ジャパンの企画グループ管理役、中田功さんは「語学は必修。韓国語ができなければ英語でもいい。さらに意欲的であること。面接でも特に自己ピーアールを重視している」とのこと。この日の説明会を加えると、すでに五百人を超す応募があるだけに「よりどりみどり」と余裕の笑顔だった。

 今年は一〜二人の採用予定という太平洋ジャパンでも、担当者が「すぐできる人がいない。大部分来年の卒業」と答えており、企業が「即戦力ないしはスペシャリスト」を求めていることは明らか。

 来年の就職戦線本番に向けて「感触をつかむために来た」という大阪外国語大学で韓国語を学ぶ三年生の趙和美さんは、女性総合職を取り入れている日本三星に関心を示しながら「来てよかった」と笑顔を見せていた。

 また、日本の企業から転職して韓国企業に再就職したいという神戸在住の鄭達基さんは「求める人材はハイレベル。まず語学に磨きをかけたい」とあらためて意欲を燃やしていた。

(1999.7.21 民団新聞)



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