民団新聞 MINDAN
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21世紀に備える民団作りへ総力結集を

第54周年光復節・中央団長慶祝辞



■地方参政権、今世紀中に実現させよう

 親愛なる同胞の皆さま!

 本日は54年前、長い暗闇の中から祖国が光復を取り戻した感慨深い日であります。国家と民族の大切さを今一度確認するとともに、祖国のため犧牲となった殉国先烈の冥福をお祈りいたします。

 我々は20世紀中に多くのことを経験しました。国を失った民族の悲哀を経験し、光復後には東西冷戦という冷酷な国際情勢に苦しみながら「6・25動乱」という凄惨な同族相喰む悲劇により数多くの犧牲を強いられて来ました。

 このような急変する状況の中でも我が政府は韓半島の平和を守るため絶え間ない努力をしてきました。平和定着及び和解と協力を土台とし新たな南北関係の改善のために太陽政策を進めています。

 我が政府のこのような努力にもかかわらず、北韓の金正日政権は「武力統一」路線に固執し、最近ではミサイル発射実験、核疑惑など韓半島周辺国の緊張を高めています。

 我々は本日、意義深い光復節を迎え、北韓が1日も早く国際潮流にあわせ閉鎖性から抜け出し民族的立場で我々と共に平和定着の道を追求していくことを強く促すものであります。

 日本においては、朝鮮総連も在日同胞の立場に立って交流と和合の雰囲気造成に参加するとともに、全同胞的な課題に積極的に共に参画することを願ってやみません。


 親愛なる同胞の皆さま!

 この間、我が在日同胞社会も大変な激動を経験しました。困難な状況下でも在日同胞社会は本団を中心に団結し、民族的誇りを守りながら祖国に献身的に寄与しており、また同胞の安定した生活基盤作りのために力を尽くしてきました。

 その中でも特に、日本に定住しながら堂々と地域住民として共生共栄していくための権利である地方参政権を獲得する運動を推進し6年目となりました。

 昨年には金大中大統領の歴史的訪日によって地方参政権付与に新たな局面が開かれました。法案が日本国会に上程されるなど、立法化に向けて大きな進展があった一年でした。

 地方参政権運動は私たちの子孫たちに安定した法的地位と地域住民としての資格を確立するもので、今世紀中に必ず実現しなければならない最重点運動であります。

 今後、早期立法化に向けて総力を結集していこうではありませんか。

 もう一つ重要な事業は、同胞経済の土台である信用組合の健全育成です。21世紀の我が在日同胞の生活安定と経済発展に寄与できる民族金融機関を育成することです。統廃合と再編が早急に行われるよう、私たちは最善を尽くそうではありませんか。


 親愛なる同胞の皆さま!

 いま一世紀をしめくくるこの時点で、私たちは民族最大の願いである平和統一が1日も早く成し遂げられるよう願うとともに、「21世紀に備える民団」を構築するため総力を傾けていこうではありませんか。

 最後に同胞皆さまの健康と幸福をお祈りいたします。

(1999.08.15 民団新聞)



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