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韓国観光ニュース<1>

秋の全国伝統祭り



外国人観光客に人気の自分で絵付けもできる
利川陶磁器祭り

■地域の伝統生かした行事多彩

 秋の観光シーズンを中心に韓国各地で地方色を打ち出した祭りが開催される。仮面劇や伝統工芸、特産品からキムチをテーマにした祭りまで、特色も様々。趣向を凝らした観光客向けのイベントも準備されるなど、秋の韓国観光の一つに組み入れるツアー客も増加しているという。在日同胞はじめ外国人観光客に人気が高い祭りを紹介する。


◇◆利川陶磁器祭り(9/8〜19)

 京畿道の利川は陶磁器で有名な街で、300余の陶芸企業が40の窯元を設けた韓国有数の陶磁器生産地。特産品の陶磁器をメインテーマにした大規模な祭りが利川陶磁器祭りだ。

 利川の陶芸村および雪峰公園一帯で開かれる今年の祭りには、観光客が参加できるイベントと世界的な名品が鑑賞できる展示が行われる。

 自分で絵付けした素焼きの壺などを焼き上げて送ってくれる「陶芸教室」、陶磁器のオークション(11〜12日、18〜19日)などが人気だ。また伝統窯での火入れを再現する「伝統窯点火」も見応えがある。

 期間中は各陶芸企業が販売する青磁や白磁、粉青沙器などが30〜50%引きで購入できる。

 一方、世界10余カ国の有名作陶家による国際陶芸展、韓国で発掘された陶芸遺物などの展示も行われる。

 会場は、東ソウルバスターミナルから利川行きバスで約1時間。期間中は雪峰公園と陶芸村までのシャトルバスが運行される。


子どもから大人までに人気の
利川陶磁器祭り

◇◆統営らでん漆器祭り(9月30〜10月3日)

 統営地方は400年にわたって螺鈿(らでん)漆器で発展してきた街。螺鈿漆器はアワビやサザエなど虹色に輝く貝殻を薄く磨き、器や机、箱などに張り付け、漆で仕上げたもので、韓国では古くから「チャゲ」という固有名詞が当てられてきた。

 小さな宝石箱からタンス、テーブルなど漆黒の漆と貝の輝きが美しい製品で、韓国の土産物としても人気が高い。

 統営市民文化会館で開かれるイベントの中には、参加者が作った作品を持ち帰ることができる「自分で作るらでん漆器コーナー」もある。また統営地方の水産物のカキ、ウナギ、ホヤの皮の早剥きを競う「水産特産物競演大会」も人気を呼んでいる。

 会場はソウル南部ターミナルから統営行き直行バスで約6時間。


◇◆安東国際仮面劇・フェスティバル(10/1〜10)

 安東は、韓国の仮面劇のうち、唯一国宝125号に指定されている河回(ハフェ)仮面の故郷でもある。4月には英国のエリザベス女王が訪問するなど国際的にも注目されている。

 国際タルチュム・フェスティバルは、韓国で初めて国内外の民俗仮面劇をテーマにしたもので、今年で3回目を迎える。韓国国内の18の仮面劇はじめ日本、台湾、ラテンアメリカ、シンガポール、中国などの民俗仮面劇(舞踊)が紹介される。

 河回タル博物館では韓国の仮面19種類200余点と30カ国の外国仮面200余点が展示される。また河回仮面の製作過程が見学できるほか完成した仮面も2000ウォンから20万ウォンで購入できる。

 伝統的な儒教の街としても知られる安東の陶山書院で開かれる儒教文化祭では、朝鮮朝の代表的儒学者・李退渓、李滉の思想を理解するための時調(韓国固有の定型詩)作詩大会や科挙の行事なども行われる。

 会場はソウル・清涼里駅から安東駅まで列車で4時間30分。バスターミナル向かいの46番バスで終点の河回マウル(村)まで約45五分。


◇◆襄陽松茸祭り(10/1〜3)

 江原道・襄陽の松茸は、味と香りが韓国で最も優れていることで知られる。

 松茸祭りは江原道国際観光エキスポ期間中に行われ、論化里の産地で一番大きな松茸を採った人を「松茸王」に認定する大会などが開かれる。また事前予約した参加者は、参加費3万ウォンを払えば自分で採った松茸を市中価格の20%引きで購入できる「松茸狩り体験」も行われる。

 会場は東ソウルバスターミナルから襄陽まで4時間20分。襄陽から論化里までは五色里薬水行きバスまたはタクシー利用。


◇◆釜山チャガルチ祭り(10/8〜11)

 海産物で有名なチャガルチ市場周辺で開かれる。同市場は韓国動乱当時に避難してきた露天商たちによって作られ、今では韓国最大の水産物市場となっている。

 漁師たちが漁に出るときの風習や水産物を素材にしたイベントが繰り広げられる。7日の前夜祭では安全と豊漁を祈願する竜王クッ(巫俗儀式)告祀、プンムルノリなどが行われる。

 観光客参加のイベントでは活魚釣り、ウナギの皮剥大会、活魚手づかみ、外国人料理コンテストなども見所だ。期間中、チャガルチ市場では30%引き売出やオークションが行われる。


◇◆光州キムチ祭り(10/27〜31)

 韓国といえばキムチ、特に全羅道のキムチは味に定評がある。光州市の念珠総合体育館には全国から出品された130種類にものぼるキムチが、実際に漬ける過程とともに見ることができ、キムチ好きにはこたえられない祭りだ。

 韓国キムチ館では、器や薬味などキムチに関連した固有文化、外国産キムチなどが展示される。主婦、外国人、新婚夫婦など各ジャンルに分かれてのキムチ漬けコンテストも面白い。

 会場は光州空港の市内バス乗り場から市内・座席バスで念珠サゴリ下車、徒歩5分。

(1999.08.18 民団新聞)



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