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韓国観光ニュース(特別編)

99江原国際観光博覧会、9月に開幕
「自然と人間、未来の暮らし」テーマに



江原観光EXPOのロゴ

■世界53カ国が参加

 江原道(金ジンソン知事)は韓国の中部地方の東に位置し、十八の市・郡に約150万人が住んでいる。その江原道で「人間と自然、未来のくらし」をテーマに、99江原国際観光博覧会(EXPO)が開かれることになった。期間は9月11日から10月30日までの50日間。

 四季折々に違った表情を見せる奇岩絶壁の雪岳山をはじめ清い東海の海、川と湖に囲まれた自然美の宝庫、江原道束草市の青草湖一帯(12万4000坪)が舞台だ。観光エキスポは韓国では初めての試みで、観光だけでなく世界の文化や先端技術を披露することで、豊かな未来の生活を提示する。

 日本、アメリカをはじめ世界六大陸から53カ国、72自治体と国内から200余の企業が参加するほか、江原道では300万人の観覧客を見込んでいる。問い合わせは江原道国際観光博覧会組織委員会へ。

電話は韓国・束草0392(637)4505。FAX0392(637)4516。

ホームページは http://expo99.or.kr

Eメールは expo99@mail.provin.kangwon.kr


■歴史と先端駆使した多彩なパビリオン

 エキスポのメインは地球村の観光文化を一堂に集めた各展示館だ。

 テーマ館は江原道の美しい自然と独特な観光商品を紹介するスペースで、過去・現在・未来を超大型スクリーンに映し出す。この中で人間と自然、未来の暮らしが一つになる。

 メーンショーでは江原道の神秘的な自然が織りなす四季を大型映像で、ポストショーでは韓国と世界の自然、遺跡などをグラフィックで演出する。


江原観光EXPOの会場図

■韓国館

 韓国館は韓国観光の全てを盛り込んでいる。江原道館をはじめ、国内15の広域市・道と韓国観光公社が出展するパビリオンで、過去から未来までの観光像を見せる。

 そのほか、人間文化財による伝統工芸の製作実演・作品展示と観覧客も参加できる韓国伝統文化体験館、韓国の秘境を展示する文芸展示館、青草湖に住んでいたという黄竜が昼は霧、夜は火を吐く演出もある。


■国際館

 国際館は四つに分かれ、世界の観光文化を一目で見ることができる。水辺公演場で開かれる各国のナショナルデーでは、民族色豊かな公演が繰り広げられる。日本からは宮城、鳥取、富山、兵庫、青森県が参加する予定だ。

 国際一館はアジア19カ国22の自治体が参加し、海をテーマに造形物を展示する。国際二館はアメリカ、カナダ、オセアニアの16カ国20の自治体が参加し、空がテーマ。航空機の模型などがお目見えする。国際三館はヨーロッパとアフリカ地域の19カ国で、山をテーマにジャングルや各国のタワーを展示する。


■環東海館

 このほか、友情をテーマにしたのが環東海館で、江原道と姉妹結縁している日本、中国、ロシア、モンゴルなど東北アジアの14自治体がそれぞれのお国自慢を紹介する。中でも鳥取県からは80人が駆けつけるという最大規模で、9月19日から21日のナショナルデーには、姉妹提携で尽力された西尾邑次前県知事が招かれている。

 座席数3000の水辺公演場では、24カ国30のチームが出場し、1日に2つの公演を披露する。韓国からは地元の5人組フォークロックグループ、「ファングムカムジャ(黄金のジャガイモ)」が登場。バンド名はご存じ江原道の象徴、ジャガイモをもじったものだ。ギターとベース、ドラムとブルースハーモニカなど、シンプルな楽器が奏でるご機嫌なサウンドで、CDデビューも間近いとか。


マスコットの「クグ」ちゃん

■先端技術館

 先端科学を通して、一足先に21世紀の観光旅行を見せるのは各企業館。

 韓国を代表する企業、三星、現代、斗山が参加する展示館では、先端技術を駆使した映像で未来の暮らしを紹介する。

 観光レジャー用品展示館では、江原道の美しい山、海、空、大地の四つのテーマに分け、スポーツ用品などを展示する。観光客が室内レジャー用品を体験することもできる。


■環境館

 環境館は環境保護を目的に、人間の努力と21世紀の環境ビジョンを演出する。題して「環境と人間」「理解と認識」「教育と体験」「共感とビジョン」の四つだ。

 このほか、「音、光、映像」を通じて感動を提供するチャムソリエジソン館では、世界最初の蓄音機や映写機の展示や発明王エジソンの一代記を映像で示す。

 ブロック玩具のレゴ館では子どもたちの組立体験を、世界灯火展示館では10メートルの大型灯火塔など、20世紀の珍しい灯を見ることができる。


73.4メートルのシンボルタワー


□■江原道の観光スポット■□

■魅力は山・海・味覚

 四季がはっきりしている江原道の魅力はいろいろあるが、何と言っても山と海と味覚にある。

 韓半島を南北に貫通する太白山脈には、雪岳山、雉岳山、五台山などの名だたる山と清流の渓谷が迎えてくれる。

 海はその蒼さで名をとどろかせた東海が、ハマナスの咲く砂浜、果てしなく続く松林、豊富な魚介類で旅人をなごませる。


■四季折々…雪岳山の絶景

 深山と蒼い海のコントラスト、その自然が、新鮮な海の幸とみずみずしい山の幸の宝庫を創り出した。

 江原道料理を代表するのは、マックッス(ソバの冷麺)、春川のタッカルビ(鶏肉のカルビ焼き)、束草のスンドゥブ(汲み出し豆腐)、ファンテスープ(塩分を除いた明太スープ)などだが、ポソチョンゴル(きのこ類の鍋物)も絶妙。エキスポ会場近くの海辺には、ピチピチと新鮮な刺身を食べさせるお店がずらっと並び、澄み切った蒼い海をながめての食事はお薦めだ。


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□■金・江原道知事にインタビュー■□

分断祖国の統一願う 在日同胞の参観を期待

 ■江原道でエキスポを開く意味は何ですか。

 金 韓国の状況、あるいは江原道の状況、時代的な状況に特別な意味があります。地球村で唯一分断されている国が韓国であるということ。次に分断祖国の中でも唯一分断されている地域が江原道だということです。

 私たちすべてが要望するのは平和的な統一祖国です。過去の歴史の中で外国から圧迫されていた時代もあり、その圧迫から解放されたといってもそれは完全な解放ではありませんでした。分断が残っているからです。それが1900年代の20世紀の状況です。

 今年、来年が過ぎると新しい世紀が訪れます。その21世紀には、韓半島に真の解放と平和のある統一国家が建設されることを国内の国民だけでなく、海外にいる同胞が望んでいます。海外にいる同胞はなぜ国を離れなくてはならなかったのでしょうか。それは悲劇的な歴史の過程と貧しかった時代がもたらしたものです。新しい世紀にはそのような不幸なことがないようにとの思いを込め、新世紀を望むプレ2000年の今年に江原道で開きます。反目と分裂、戦争の歴史を乗り超えたいですね。

 ■成功に向けて、在日同胞へのメッセージを。

 金 在日同胞の皆さんに一人でも多く来てほしい。今回の観光エキスポは基本的には観光地であるというところに主題を置いています。産業祭りであり、世界各国の観光資源や未来の観光像を紹介するものです。

 江原道は韓国観光の「一番地」の位置を占める最高の観光地です。国家次元でも観光事業を産業の一つの目玉にしていますので、エキスポを大きな契機にしたいと思います。

 ■隣国の日本から多くの観覧客が来れば、韓日友好関係が大いに進展すると思いますが。

 金 同感です。韓日関係はほかの国よりも一番近く、人間関係も政治、経済、社会、すべての面で友好関係を基礎にしています。国と国との関係、特に韓日関係には新しい世代の力が大きいと思います。

 未来志向で見なくてはならず、それには人と人との出会いが必要です。会えばお互いに理解することができるし、日本のお客さんが来られるのに、韓国民が過去に対する葛藤と未来志向の友好関係をごっちゃにするわけはありません。日本語ができるボランティアも多く準備しています。不便の心配はありません。どうぞお越し下さい。心よりお待ちしています。

(1999.08.25 民団新聞)



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