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地方参政権実現へ大きな前進

自自公党首が法案提出で合意



 民団が全組織を挙げて展開している永住韓国人への地方参政権獲得運動で、自由、民主、公明の3党は4日、3党連立政権の政治・政策課題協議で、「定住外国人地方参政権付与の法案」を3党で提案することで正式に合意した。連立与党で具体的に「付与」の合意がなされたことで、93年以来継続して展開してきた「地方参政権獲得運動」の結実へ大きな一歩となりそうだ。

 小渕恵三首相(自民党総裁)は4日正午から首相官邸で自由党の小沢一郎党首、公明党の神崎武法代表との3党首と会談し、政権協議の決着を踏まえて自自公3党による連立政権樹立を合意、政権・政策の合意文書に署名した。

 合意書の中では永住外国人地方参政権付与についても盛り込み、衆院特別委に継続審査中の法案のうち、地方分権関連法成立に伴う修正などをした法案を改めて3党で議員提案し、成立させることを明示している。

 3党連立協議で合意したのは地方参政権付与に熱心な公明党の要求を自民側が受け入れた形だが、ここ数回にわたる協議で基本合意はされていたものの、自民党内での慎重論が根強く、調整が難航していた。

 しかし、連立のもう一方である自由党も小沢一郎党首が新進党党首時代に永住外国人への地方参政権付与を積極的に打ち出しており、かねてから容認の方向を示していたことから、正式にこの日の「法案提出」合意に達した。

 永住外国人に地方選挙権を与える法案は昨年10月8日に民主、公明両党が共同提案した。今年8月11日の衆院政治倫理・公職選挙法改正特別委員会で趣旨説明まで行い、継続審議になっていた。

 民団では93年以来、本格的に地方参政権獲得運動を展開してきた。95年2月に最高裁で「憲法上、付与が可能」という判断が初めて示されたのを契機に、日本社会でも大きく「付与肯定」の世論が広がった。

 民団の地道な働きかけで地方議会でも参政権付与を求める決議が相次ぎ、今年9月末現在(自治省受理分)、都道府県30、政令指定都市12など計1425議会に達している。

 一方、自民党はこれまで、@外国人の参政権は韓日の相互主義を原則とするA国家の基本に関わる問題なので憲法上の位置づけを明確にするB朝鮮総連が反対している――などと、選挙権付与には慎重な姿勢を示してきた。

 昨年10月と今年3月の韓日首脳会談では、金大中大統領が在日韓国人の地方参政権を強く要望、小渕恵三首相も「真剣に検討する」と答えてきた。

 さらに9月に訪日した金鍾泌国務総理も再三、実現を強く求めたほか、金大統領の指示にともない、韓国政府が在韓外国人に地方選挙権を与える制度の整備を行い自民党の「相互主義」に対応していた。

(1999.10.06 民団新聞)



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