民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
21世紀に向け実りある事業を



 去る8日に開かれた全国地方団長・中央傘下団体長会議で後半期方針の柱として、地方参政権獲得に向けての集中活動の展開と全団的な組織改革への取り組みを決議しました。私達が各級組織幹部と共に積み重ねてきた努力の成果は、すでにさまざまな形で目の前に現れています。

 総力を傾け推進してきた地方参政権獲得運動は、日本の多くの地方議会の賛同と韓国政府の支援を得てようやく陽の目を見ようとしています。

 また「共に生き、共に学び、共に創ろう」のテーマのもと、各級組織が主催する民族共生の「10月のマダン」は、民族と世代を超え地域住民とともに民際交流の場として、33個所で開催されています。講座制民族大学も「コリアン・アカデミー」と名称をあらため、現在七都市で六百余人の受講生を集めています。昨年から常設化された「東京コリアン・アカデミー」は、同胞の生活拠点により密着した講座を、という要望を受け、同胞多住地域である荒川・足立支部を中心に荒川区教育委員会の後援を得て取り組まれています。

 「企業説明会」は4個所、「ブライダル事業」も5個所で開催され、若い世代に好感をもって迎えられています。このような成果は、各地方本部で積極的に開催された「幹部研修会」によって高められた目的意識と献身的な活動の結果に他なりません。


■大詰めの地方参政権

 また、後半期事業の二大方針の一つ、地方参政権獲得運動は、大詰めの段階を迎えたと言えます。自自公連立政権として出帆した第二次小渕内閣の合意事項の一つに挙げられ、早期立法化に向け大きな期待が寄せられています。

 日本政府の決定に大きな影響を与えたのは、韓国政府に対する私達の要望への対応でした。日本に先駆けて定住外国人に対する地方選挙権の付与を決定したことは大変、感動的でした。民族と国籍による対立が少なくないアジアの一角に外国籍、異民族であっても地域住民として処遇する最初の歴史的ケースとなりました。異民族の狭間で呻吟した在日同胞の心情に対する温かい理解と支援と言えましょう。この力強い背景をバックに国会議員への陳情活動の積極的取り組みと地方議会過半数達成に向けて総力をあげて推進していきます。


■次世代への組織改革を

 いま一つの方針は、21世紀の豊かな同胞社会をめざす組織改革への取り組みです。それは、同胞社会の統合を視野に入れた組織改革であり、新しいニーズに応じたネットワークづくりであります。さらに、必要な情報を必要な方に迅速に対応するためには、全組織のコンピューターオンラインシステム化は時代の要請でもあります。

 同胞社会は2・3世の時代へと移行し、韓国から来られた方や朝鮮籍からの転籍により団員は増加していますが、その一方で多様化の傾向も示しています。このような状況下で効率的な組織運営を図るためには、同胞の意識動向の把握が求められます。

 20数年振りに行われる意識調査は、次世代の組織改革にむけて不可欠な課題であります。各地方本部では調査推進委員会が設置され、2000年早々からの調査のために基本台帳の整理と取り組んでいます。

 これらの後半期事業を効果的に達成するために前半期と同様に幹部研修会による意思の統一を図らなくてはなりません。

 21世紀に向けて民団が在日同胞社会の求心体として後半期の活動を積極的に展開していきましょう。

(1999.10.20 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ