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神戸港、負の歴史に光

「強制連行調査会」が発足



韓国人関係資料の分析報告をする金英達さん

 【兵庫】第二次大戦当時、神戸港で荷役など過酷な労働を強いられた強制連行韓国人・中国人の実態を明らかにしようと市民団体が14日、「調査する会」を発足させた。

 解放直後、日本外務省や厚生省などが作成した報告書によれば、1944年に神戸港で強制的に使役させられたのは、韓国人148人と中国人786人とされる。会では聞き取りなどの実態調査を進め、神戸港での知られざる強制連行・労働の歴史を明らかにしていきたい考えだ。

 厚生省作成(1946年)の韓国人関係資料を分析した金英達氏によれば、148人は忠清南道錦山郡と全羅北道金提郡出身の農民。年齢的には15歳から55歳までと幅広く、沖仲仕として仕事に携わった。記録には死亡、病気送還、逃走などの記載。

 このうち生存者110人は解放とともに帰国したが、どういう形で日本を離れたかは明らかではない。 この日の結成総会で、金氏は「1944年の入所時点では十代・三十代が最も多い。韓国ではまだ健在者がいると思われる。どういう形で帰国したかなどを早急に調査していく必要がある」と強調した。

 代表役員には安井三吉神戸大学教授が就任、参加団体には民団兵庫県本部権益擁護委員会(林茂男委員長)や兵庫県朝鮮人強制連行真相調査団(朝鮮人側、安致源)も入っている。今後3年をメドに調査結果をまとめる。

(1999.10.20 民団新聞)



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