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在日のルーツを探して

母国修学、12月から募集



■ウリマル習得に最適
 26日から全国5都市で説明会

 母国の高校・大学で学ぼうとする在日同胞を受け入れる母国修学生の今年度募集が12月1日から開始される。同制度は実際に5年(大学予備過程)にわたって母国で学生生活をおくるためウリマルの習得には最適の制度となっている、また歴史、文化はじめ実体験として生の韓国を知ることができるなど在日同胞にとって大きな意味を持ち、すでに4500人を超える人材を輩出している。


■母国修学とは

 母国修学制度は、母国の大学(院)および高校が、母国での学生生活を望む在日同胞学生を定員外入学として受け入れている制度。民団が在日同胞社会の次世代の後継者育成のために本国政府に要請し、実現した制度で62年からスタートした。今年までに4500人が母国修学を終えている。

 特に、先生や本国の友人との対話を通じて歴史の重みやウリマルを実践的に学び、民族的な一体感を体感できる契機となっている。日本で暮らしていては難しい韓国人としての自覚を、母国での実戦的な生活を通して培うことができるという点で、世代を越えて支持を受けている。さらに韓国語を系統的にマスターできるために、最近では卒業後の進路開拓という点からも注目を集めている。


■制度の概要

 母国修学は日本の中学、高校、大学院を卒業、あるいは休学して韓国の高校、大学、大学院に進む予備過程とウリマルを身につけるための短期教育課程がある。今年は高校予備過程10人、大学(院)予備過程160人を募集する。

 選抜されれば、国際教育振興院で1年間にわたってウリマルを学び、その後高校、大学の特例入学を受けることになる。


■修学の心構え

 ソウル大、延世大、高麗大、梨花女子大など韓国内の難関中の難関である一流大学に進むことを希望している同胞も多い。しかし語学のハンディを背負っての修学で、基礎学力にともなった大学校、学科を選択する必要がある。

 修学生の大学卒業率は約30%前後。資格試験を受けなければならない医学部の傾向を見ると、ソウル大、延世大、高麗大に入学した学生は結構卒業率も高く、医師となって韓国や日本で活躍している。半面その他の大学校の医学部入学の場合、中途退学者も多い。

 ウリマルの学習についても、国際教育振興院で「1年の予備課程を受ければ大丈夫」という考え方では十分ではない。毎年10月初旬から末までに大学面接および銓衡が各大学別に行われているため、実際はウリマルを学ぶ期間は夏休みを除いて、実質五カ月しかない。国際教育振興院での基本的学力の向上とともにウリマル習熟のための努力が要求される。

 民団が毎年実施している大学訪問の際、各大学側からは「学生から率先して相談に来て欲しい」という要望が寄せられるように、こまめな相談も必要だ。


■宿舎は

 韓国に子弟を送る親からすれば、親族の家から通うことが一番安心だが、修学生本人からすれば窮屈。しかし、ウリマルや生活風習を学ぶという点からは最もよい環境となる。

 親族が不在の場合、寄宿舎か下宿となるが、一長一短がある。大学入学後、大学の寄宿舎に入舎した場合、友人ができる点やウリマルや学業にも大きな効果があり、女性の場合も安心だ。

 しかし、団体生活である点と比較的、規律に厳しいことから本人にとって、適不適という点がある。

 下宿は、学生への対応が様々で、国際教育振興院や大学、もしくは先輩からの紹介が望ましい。


■奨学制度

 修学生には国費の奨学制度が設けられている。振興院入学後、学力および勉学態度などを検討し、4月から選抜が実施される。

 月額40万ウォンが支給されるが、短期と大学(院)予備過程では支給期間が異なる。例年約40人ほどが合格する。


■申し込み

▼大学予備課程と前期短期課程=12月1日〜来年1月21日
▼後期短期課程=来年5月1日〜5月31日

 母国修学制度についての事前説明会が各地で開催される。

▼11/26午後3時=福岡韓国総合教育院(092-631-4981)
▼11/27午後2時=民団大阪本部会館(06-371-7331)
▼11/29午後2時=民団愛知県本部(052-452-6431)
▼11/30午後2時=民団中央会館(03-3454-4615)
▼12/1午後2時=民団宮城県本部(022-263-6961)

(1999.11.17 民団新聞)



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