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韓国の「包容政策」

在日同胞の9割が支持



■平和統一諮問会議がアンケート

 民主平和統一諮問会議(議長・金大中大統領)は、さる8月26日から3日間にわたってソウルで開催された日本地域協議会(会長・辛容祥中央団長)「第9期出帆会議」で実施された「統一問題に関する設問調査」(アンケート)の結果と分析をこの度、発表した。

 今回の設問調査は、諮問委員の統一政策に対する関心と理解を促すととに、分析結果を統一政策推進に向けた基礎資料として、活用することを目的として実施されたもの。設問は全20問で、統一問題に関する一般事項(7問)、対北政策に関する懸案事項(7問)、周辺情勢及び北韓関連事項(6問)に3分類された。

 会議に参席した日本地域諮問委員388人中、322人からの回答(82・7%)をもとに、統計プログラム(SPSS)による、設問別頻度分析、及び較差分析を通じた有意度検定後分析が行われた。

 回答者の大部分は、韓国で出生(52・7%)したものの、日本での居住歴が16年以上(99・4%)であり、年令が60歳以上(72・7%)という、特性を持つ。

 分析の内容は次の通り。


□■統一問題・一般事項■□

 (1)韓半島の統一に対する、日本地域諮問委員の平素の関心は、「とても関心がある」(92・5%)が9割を超え、「多少関心がある」(7・5%)を合わせると100%であることから、かなり高いことがわかる。

 (2)統1時期については、「漸進的な(=徐々に)統一を望む」(65・8%)が最も多いものの、「多少の負担があっても、早期統一を望む」(23・9%)との意見も少なくなかった。

 (3)統一後の最も深刻な副作用として憂慮するものとしては、特に「経済的な葛藤」(54・3%)と、「政治的な葛藤」(35・7%)をあげている。

 (4)韓半島統一を阻害する最も大きな要因は、「韓国に対する北韓の敵対的な態度」(82・6%)であると考えている。

 (5)統一に備える上での私たちの最大課題は、「北韓を正しく知ること」(39・8%)と、「南北交流・協力」(30・4%)であると認識している。

 (6)韓国政府が最優先すべき統一政策は、「対北経済協力と対北包容政策の堅持」(43・2%)であると見ている。

 (7)韓国政府の統一政策などの情報入手方法は、主に「言論機関」(日本言論50・9%、韓国言論33・2%、計84・1%)であるが、「政府の弘報活動」(14・9%)もあげられている。


□■対北韓政策への懸案事項■□

 (8)韓国政府の対北包容政策に対する支持度は、「積極的に支持する」(69・3%)と、「多少支持する」(22・4%)を合わせて、91・7%にのぼっている。

 (9)対北包容政策を成功させる為には、「国民的支持を受けなければならない」(60・0%)と認識している。

 (10)対北包容政策の最大の意義は、「韓半島の安全と平和維持」(52・5%)にあると評価しており、「民間次元における南北交流の活性化」(32・6%)にも大きな影響があるとして捉えている。

 (11)金正日政権が対北包容政策を受け入れるか否かについては、「呼応するだろう」(37・0%)よりも、「呼応しないだろう」(59・3%)との見方が多い。

 (12)韓国政府の伸縮的相互主義の立場(=南北次官級会談で、離散家族問題の解決の為の実質的な進展があれば、北韓に肥料を追加提供できるという考え)に関しては、大部分が「賛成」(91・3%)している。

 (13)金剛山観光事業は、「北韓解放と南北関係の改善に寄与している」(79・2%)と評価している半面、「純粋な観光に過ぎないと思う」(20・8%)との意見も少なくない。

 (14)四者会談については、「韓半島の平和政策に寄与するだろう」(79・2%)と評価している。


□■周辺情勢と北韓関連事項■□

 (15)日本の保守化傾向については、「東北アジアの平和安定に否定的な要素である」(67・7%)との意見が多いが、一部「肯定的な影響がある」(16・5%)との意見もある。

 (16)北韓の大量殺傷武器開発の理由は、「対米国、対日本の協商カードとして使用する為」(68・3%)だと判断している。

 (17)統一に向けた国際環境の変化に関しては、「良くなっている」(59・6%)、「特に変化ない」(36・4%)と、どちらかと言えば意見が割れている。

 (18)北韓の経済状況に関する予測は、「北韓の体制上、回生は困難」(62・1%)、「外部世界の支援がなければ破産するだろう」(28・0%)と、悲観的な評価が圧倒的である。

 (19)北韓体制が急激に変動する時には、「大量難民の発生」(62・4%)と「対南挑発」(31・7%)が、深刻に憂慮すべき点になるとして捉えている。

 (20)(委員個人に対して)北韓同胞が手助けを求めた場合には、「積極的に手助けする」(42・5%)、「領事館に報告した後に決定して処理する」(48・8%)の二つが多数意見で、比較的に肯定的な対応をするとの回答である。

(1999.11.17 民団新聞)



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