民団新聞 MINDAN
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共生の広場に5000人

愛知でコリアンフェスタ



韓国のリズムに合わせて踊り出す同胞と市民ら

■在日を市民らにアピール

 【愛知】在日韓国人の存在を幅広い日本市民に知ってもらおうと民団愛知県本部(権泰洙団長)と青年会愛知県本部(趙鐵男会長)は13、14の両日、名古屋市栄のセントラルパーク「久屋広場」でコリアンフェスタを開いた。

 同フェスタは昨年に引き続いて2回目の開催。地域に暮らしながらも見えにくい存在としてとらえられている在日韓国人を広くアピールしようと開催された。また同時に愛知在住同胞の集いの広場として親睦交流も兼ねた。会場には韓国食品屋台や観光紹介はじめ在日韓国人の歴史を展示したコーナーも設けられ、市民の関心を集めた。

 2日間にわたって開かれたフェスタには、延べ5000人の市民らが足を運び、主催側の在日韓国人理解を求める声に耳を傾けていた。

 フェスタには権本部団長はじめ鄭燦源駐名古屋総領事、各支部役員、団員らも駆けつけ、親睦交流を楽しんだ。

 コリアンフェスタには、日曜日とあって買い物を楽しむ地域住民らが次々と会場に足を運びフェスタを楽しんだ。開催趣旨である地域の市民に在日韓国人理解を促す様々な企画も行われる一方で、日本市民の対在日韓国人観を聞きながら、同胞側の姿勢も問い直す作業が指摘されるなど、在日韓国人が地域社会構成員としてどのように生きて行くべきかを考える集会ともなった。


■韓国屋台も大人気

 会場周辺はデパートやビルに囲まれた繁華街で、青年会のサムルノリや韓国歌謡のリズムに誘われて次々と市民らが足を運んだ。好天に恵まれたこともあって会場に設けられたキムチ、焼き肉、トック、チヂミなどを販売する韓国食品屋台も大盛況。またアクセサリーや韓国海苔、モチなども人気を博した。婦人会愛知県本部も会員総出で白菜240個分のキムチを漬けて販売した。

 初日の13日は、婦人会春日井支部の舞踊サークルによる韓国舞踊や名古屋韓国学校児童の遊戯、団員らの農楽など民団が中心となったステージ。ビール片手にキムチやチヂミに舌鼓を打っていた団員からも「チョッター」の掛け声が飛ぶなど和やかな雰囲気の中で親睦が交わされた。


■「共生」の呼びかけに大きな手応え

 14日は青年会が中心となって市民を対象とした企画が組まれた。随所にサムルノリ、農楽隊を取り入れて民族色豊かなステージを披露した。

 特に「地域住民に在日韓国人を理解してもらおう」という開催趣旨に沿って、在日一世のインタビューも行われた。第二次大戦前に渡日し、土木工事や炭鉱で危険な労働をこなすなど苦難の体験談を市民らに語った。また、一般的に市民が持つ「在日韓国人って何者?」にこたえようと日本人、韓国人留学生、青年会メンバーら在日同胞の三者による対談も行われた。


■音楽に誘われて足を運ぶ

 日本人側からは「在日韓国人が存在するという教育がない。教育が必要」という意見が出された。一方で、在日韓国人は「通称名を使っている例が多く、日本人には分からない」という指摘も出された。日本の閉鎖的な面を改善すると同時に在日同胞自らが本名を名乗るなどの努力をしていこうという意見に対して多くの同胞、日本市民の共感を呼んだようだ。

 音楽に誘われて足を運んだという20代の女性2人連れは「在日韓国人って、聞いてはいたが実際に友だちもいないのでよく分からなかった。でも今日ここに来て少し分かった」と話していた。

(1999.11.17 民団新聞)



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