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韓国空前のヒット作「シュリ」

李鳳宇氏が最新事情を語る



■韓国映画の認識を変えるか

 韓国で過去最高の観客動員数を記録した映画「シュリ」(姜帝圭監督、韓石圭主演)の配給権を獲得した在日同胞プロデューサー、李鳳宇さんが13日、「あじゃさろんシネマクラブ」(財団法人アジアクラブ主催)に講師として招かれ、「韓国映画の最新事情」について語った。
=写真=

 映画「シュリ」はソウルで3月に公開され、17日目で200万人が見たという空前の大ヒット作。

 同映画には李さんも脚本の段階から注目していた。ソウルの映画館で出来上がりを見た李さんは日本でもヒットすると確信、日本から押し寄せた八社と争奪戦の末、2カ月がかりで配給権を獲得した。

 「シュリ」が大ヒットした背景には、日本とは違う韓国の特殊性があると李さんはいう。映画のテーマともなっている南北分断の悲劇について、「鏡で自分の顔を見る」ように自ら向き合おうとしているのが韓国人なのに対し、「日本人は日本映画をみない」。


■韓日合作の行方占う試金石

 李さんは「姜監督が南北分断を映画的素材として、まったく違う感覚でとらえている。考えがドライで合理的」なのが成功の要因とみている。「シュリ」の成功をきっかけに、韓国ではこれからも娯楽色に富んだ大作傾向が続くのではと予測している。

 李さんは韓日の合作映画の可能性についても触れ、「現状では距離があるものの、『シュリ』が若い客層に受け入れられれば可能性も出てくる。『シュリ』が突破口になって、韓国映画への認識が変わってくれればいい」と期待している。

 「シュリ」は2000年正月第2弾として、東京都内の渋谷東急3、銀座シネ・ラ・セットを皮切りに全国ロードショー公開される。

(1999.11.17 民団新聞)



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