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民団会館の披露宴



 穏やかな晩秋の日となった11月21日。民団大阪府本部の大ホールで一つのカップルの門出を在日同胞ら250余人が祝福した。

 在日大韓体育会の金英宰会長の長男、金明潤さんと池上温子さんが結婚披露宴を開いたもので、1986年に同本部会館が新築されてから初めての慶事だという。

 「民団の会館で同胞の晴れの日を」と思い続けていた金会長は、同本部の事務局長を長く務めた民団組織のたたき上げとして知られる。在日同胞社会への思い入れも人一倍強く、たとえスポーツ行事であっても「民団を中心に」という言葉をこれまで何度も聞かされた。

 また、自身が実務者だったこともあって、後輩たちへの目配りも欠かさない。披露宴の裏方を青年会のメンバーが引き受けたのも、そういう姿勢が伝わったからではないかという気がする。

 行列ができた青年会のトックとチヂミの屋台は、文字どおり手作り披露宴の味わいがあった。つめかけた同胞の顔にもよそ行きではないリラックスした表情が見て取れた。

 在日同胞が額に汗して築き上げた会館には、在日一世の歴史が刻み込まれている。そこは一世にとっては再会を喜ぶ空間であり、他郷暮らしの心痛を癒す場でもあった。

 今後とも多くの二・三世が民団会館に集まることで新しい活力が生まれ、地域の日本人にも「ふれあいの場」として開放すれば、そこは「共生のマダン」にもなる。せっかくの財産を眠らせてはならない。

 両家からのプレゼントは、韓日の若い2人と近未来を象徴するような2002年W杯のロゴ入りサッカーボールだった。

 弾む気持ちがこちらにも伝わってきた。(C)

(1999.11.24 民団新聞)



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