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韓日児童が絵画交流20年

日韓女性協・広がる相互理解



渋谷の東京都児童館で開かれている
韓日児童絵画交流展

■点≠ゥら線≠ヨ広がる理解

 韓日両国児童の絵と作文を紹介する「合同児童作品交流展」(日韓女性親善協会主催)がソウルでの第1回展以来、今年で20周年の節目を迎えた。応募作品は毎年増えており、自治体、学校からの協力申し入れも増えている。子どもたち同志の友好親善、相互理解の芽を育てようと20年前にまかれた種が、いまや点から線へと広がりつつある。

 「合同児童作品交流展」は第1回から第9回までは、ソウルと東京の両会場を往復するだけだった。ところが88年のソウルオリンピック開催を機に韓国への認識が好転したようだ。89年からまず栃木、石川、福岡、その後、横須賀、大阪でも開催されるようになった。いずれも地元の日本人主婦が主な担い手だ。


■九州・大阪でも開催、都内では音楽交流も

 韓国からは韓日女性親善協会の協力を得て絵画、作文合わせて百点から150点、日本からも150から200点の応募がある。韓国では日本の児童の作品、日本では韓国の児童の作品が主に展示される。

 韓国の児童の作品はいずれも自己主張が鮮明。絵画は原色を、作文では観念論より現実を全面に押し出しており、日本側との感性の違いを際立たせている。日韓女性親善協会会員の一人で韓国語の作文を日本語に翻訳している在日同胞二世の呉文子さんは、「未来を担う若者の価値観の違いを感じる。こうした文化の違いをありのままに理解しあうことが大事なのでは」と話している。

 同協会理事の一人、田口しづ子さんは、都内の各学校を回り展示を呼びかけてきた。都内の北区立赤羽台西小学校もその一つだ。展示をきっかっけに韓国のソウル市立白雲初等学校との間で思いがけない音楽交流も実現した。

 白雲初等学校が「世界子ども音楽コンクール」に参加するため来日したのを機会に昨年2月、児童18人が赤西小を訪れたもの。赤西小は得意のブラスバンドで歓迎、白雲初等学校は迫力あふれるサムルノリ演奏で応えた。お互いに別れを惜しむ子どもたちを見て根岸永福校長は、「交流会を通して豊かな経験をした」と喜んでいる。

 日韓女性親善協会の会長として「交流展」を推進してきた相馬雪香さんは20年前を振り返り、「将来の日韓両国の理解を深めるには児童を対象にしなければならないと考えた。いろんな方の思いが集まってくれて、そういう人たちのつながりが広がった」と話している。東京での展示会は12月8日から12日まで渋谷区渋谷の東京都児童会館で開催される。

(1999.11.24 民団新聞)



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