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キムチの王道



 KIMCHIを取り巻く論議が韓日間でかまびすしい。本物かモドキか…。

 国際食品規格委員会(CODEX)で新たにキムチの企画を作ろうというのが発端だった。もちろん韓国は従来通りの伝統的製法を求めた。すなわち自然発酵させた乳酸菌たっぷりのキムチだ。

 一方、キムチ製造に本腰を入れている日本は、韓国側の企画が通れば、キムチとして国際的に認知されなくなると慌てた。一部の日本製の製造法は、自然発酵させず造る。発酵して出てくるコクや酸味は、最初から添加物を入れて補おうという寸法だ。と、本物でなければキムチとはいわないとする側の口調は熱い。

 事実、今のところ日本側主張の添加物の使用が認定される方向で進んでいる。

 私はスーパーで市販するキムチを買わない。何度か買って痛い目を見たからだ。そのまま食べてもあまり美味しくないのだが、なぜかチゲにすると途端に不味くなるキムチがあるのである。

 某グルメ漫画で、添加物だらけの味噌を焼くと、味噌の味がしないという場面を見た記憶があるが、それと似たようなものなのかも知れない。

 最近の日本では、無農薬、無添加、体や環境にやさしい、が消費者の選択肢。「遺伝子組み替え大豆を使用してません」と表示した納豆が売れ行きを伸ばしたほどだ。

 先のキムチ論者は言う。添加物だらけのキムチが世界に広がれば、韓半島の先祖が残してくれた偉大な漬け物文化にドロを塗ることになる、と。

 もう韓国では、オモニたちがゴム手袋を真っ赤に染めるキムジャン(キムチ漬け)シーズンが始まっている。そこには添加物はない。キムチはキムチ。やはり自然発酵の王道を歩んで欲しい。(L)

(1999.12.01 民団新聞)



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