民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
母国修学事前説明会開く

熱心に下宿、生活面など質問



真剣な目で母国修学制度の
概要を聞く参加者ら

 【大阪】民団大阪府本部(洪性仁団長)会館で行われた事前説明会には、教育部から国際教育振興院の洪起煥教学課長(奨学官)と金相敏教育研究士が駆けつけ、申請手続きや実際の教育内容などについて説明した。席上、洪教学課長は「コンピュータ教育を導入するなど、カリキュラムの編成にあたっては、常に現代の世相にあったものになるよう改善を加えている」と述べた。金研究士は予備教育課程から大学(大学院)への進学状況について報告した。

 続いての質疑応答では、参加者から韓国語能力の問題や下宿探し、食事内容、国内での生活費用など様々な質問が出たが、懇切丁寧な説明に安心した表情だった。例えば、韓国語能力は予備教育課程で習熟度別のクラス編成をとっており、段階を追って習得できるようになっている。

 安慶子さん、呉幸容さん、柳太英さんの3人は民族学級から建国高校で学ぶ友だちどうし。「チャンゴも習いたい。言葉ももっと習いたいから」と母国修学を目指している。同じく建国で学ぶ男子生徒(尼崎市)も「とにかく韓国語をしっかり習いたい。大学は自分が何をしたいのか考えてから決めます」と述べるなど、はっきりした目的意識が感じられた。

 大阪外大で韓国語を専攻している3回生の鄭清美さんは、就職も考えていたという。ところが、オモニから事前説明会のあることを知らされ出席した。いまは母国修学で韓国語に磨きをかける方向に気持ちが傾いているかのようだ。大阪市立加美北小学校で民族講師を務める李紀子さんも「事前説明会に参加して、留学したいという気持ちが膨らんでいる」と胸の内を語ってくれた。

 京都の仏教系大学4回生の男子学生は「留学に関する情報が何もなかったので、きょうの説明会でよく分かりました。考古学を専攻しているので、韓国に留学して生かしたい」と述べた。

 今年の事前説明会は1日、民団宮城県本部で行われるのが最後となる。


■□■□■□

母国修学制度

 次世代の後継者育成のため、民団が1962年に11人の国費留学生を送ったのが始まり。国内でも民族教育振興の側面から門戸を拡大するようになり、今日までに自費も含めて4500人余りが母国修学を終えた。大学(大学院)では定員外入学として受け入れている。卒業後は国内の大手企業に就職する例も多い。

(1999.12.01 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ