| 左から柳承龍、徐秋子、宋承桓(プロデューサー) 、金原解、張錫賢の各氏 |
サムルのビートが爆発
キッチンパフォーマンス
キッチンの中でサムルノリのビートが爆発する。リズミカルそしてコミカルに鍋が舞い、包丁がきらめく。コリアンビートのパフォーマンス「ナンタ(乱打)」の日本公演が1月6日から東京でスタートする。
スポットライトに照らされた舞台上のキッチン。結婚式の料理を6時までに作れと命令された4人のコックが所狭しと鍋、釜、ゴミ箱、ボウルなどキッチン用品をサムルの楽器に見立ててビートをぶつける。
野菜を刻む4人。それぞれが他の3人を意識して、「我こそ一番」と包丁をまな板に打ち付ける。激しく、またリズミカルに。サムルノリを聞いたことがある人ならすぐにビートに乗れる。ビートに乗せたドラマ構成に思わず身を乗り出す。「間に合うのか」、ハラハラさせながら、4人がコミカルに動く。
リズムだけでなくこのドラマ構成が見せる舞台になっている。表情豊かな4人に引きつけられる。
日本公演の後は、3月から中国、シンガポール、マレーシアをツアーし、6月からは英国を中心にヨーロッパツアーを実施し、最終的には10月にブロードウェーに入る。
日本公演は6日から16日まで東京の青山劇場、19日から23日まで大阪のシアター・ドラマシティで行われる。チケットの問い合わせはチケットぴあ、ローソンチケットなど各種プレイガイドで。
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■エジンバラで絶賛
「世界に通じる作品」自負
ナンタの神髄についてプロデューサー、出演者に聞いた。
◆当初は評論家から余り芳しい評価を受けなかったと言うが。
97年のナンタの初演当初、若者からは支持は受けたが、セリフの無いパフォーマンスを見慣れていない層からはとまどいを持ってみられた。そして、より劇的なドラマ性を持たせるために補強を重ねてきた。
◆その評価が変わってきたのはエジンバラの国際演劇祭ですか。
その通りです。絶賛を浴びた。セリフのない公演、サムルのビート、そしてキッチンというどこの家庭でも容易に推測できるシチュエーションを持つことで、世界的な規模で公演活動を展開しているブロードウェイ・アジアが目を付けた。
百以上ある公演の中で真っ先にチケットが売り切れ、マスコミからも五つ星の評価をいただいた。この時、イギリス、オランダ、イタリア、オーストラリア、シンガポール、台湾などから出演依頼を受けています。
◆当初からのコンセプトに変化は?
基本的なコンセプトは変わっていません。ただ公演を重ねるごとに劇中のエピソードは随所で変わってきている。
ナンタは伝統のビートとロックを合わせたようなものです。各階層に一つのエンターテイメントとして楽しんでいただけるはず。
日本は韓国の文化が入ってくることを拒むことはなかった。しかし、日本に入ってこられるだけの商品が少なかった。そういう面でナンタは堂々と日本に紹介できる文化的要素を持つ作品だと思っています。
来年1月にナンタがあり、すぐに映画「シュリ」が上映される。これまでは韓国の伝統を紹介するものが多く、現在の日本の大衆に見てもらうものはナンタとシュリが皮切りになると思う。
◆オーディションは何人が受けたのでしょうか。
数100人が集まったが、リズムに秀でた演劇俳優を見つけるのは大変だった。ですから今の4人は私の眼鏡にかなった俳優です。
◆オーディションを受けようと思ったきっかけは。
柳 外国でセリフのないパフォーマンスを見て、なぜ韓国でもこれを取り入れられないのか、と疑問に思って帰国したら、ナンタがあった。これは私がやるべきものだと、感じた。オーディション前日は興奮して一睡もできなかった。
張 同感です。
出演者の皆さんにとってナンタとは何ですか。
柳 一生涯忘れることがない作品です。青春を捧げた作品です。
徐 一番若さがあふれるときに心血を注いだ作品ですね。間違いないです。
金 演技生活の中で大きな転換点です。汗と情熱とアイデアを尽きるくらい注ぎ込んだ作品。
李 一番辛かったですが、一番楽しくていい作品だったです。
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本紙読者5組10人を招待
東京公演提供のディスクガレージの好意により、ナンタ日本公演のチケットを本紙読者ペアで5組にプレゼントいたします。チケットは1月6日の東京公演(午後7時開場)です。
申し込みは、ハガキに住所、氏名、電話番号を明記の上、〒153-0064東京都目黒区下目黒2-19-3、BIビル4階の株式会社ディスクガレージ「NANTAチケットプレゼントM係り」まで。
(1999.12.15 民団新聞)
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