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2002年の再会



 1999年もまもなく暮れようとしている。1900年代最後の年でもあり、巷では「ミレニアム」のキャッチフレーズがにわかに目に付く。

 先日、中学校時代の同期生と27年ぶりに再会した。卒業以来、初めての同窓会だ。

 四半世紀以上が過ぎての再会だけにかつてクラスメートと言えども、誰もが「初対面」のようで、顔と名前を一致させる作業でしばらく時間が過ぎていった。とくに女性たちの"変身"ぶりは凄まじい。ほとんどは「姓」が変わったが、この日だけは「昔の名前で出ています」の状態。

 やたらドジだった奴。妙に突っ張った奴。ひそかに恋をしていた女の子…。さまざまな面々がいた。

 この日は、誰もが過ぎ去った27年間を取り戻すかのように宴は思い出話に花が咲いた。それは、まるで1900年代を総括するかのように。

 中学時代、級友たちには韓国人であることを何一つ隠さずに過ごしてきた私だったが、通名を使っていたことにより、同窓会名簿には「昔の名前」で登録されていた。

 この日の再会では、級友たちに改めて本名の名刺を配り、「昔の名前」に別れを告げた。

 ある級友からはこんなメッセージをもらった。「あの時代、何処にもなかった君が作った『キムチ炒め』は最高にうまかった」。

 そして、卒業30周年という節目の年に次回の同窓会開催を決めた。韓国と日本が共催するFIFAワールドカップが行われる2002年だ。

 ニューミレニアムを迎える直前に私にとっての「2000年問題」を解決したような気分になり、この日は夜更けまで、級友たちと杯を交わした。(J)

(1999.12.22 民団新聞)



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