| その家の祖先の霊を祀る小さな祠で、たいてい屋敷の一隅に南向きに立てられている。ここに祀られるのは4代目までの祖先で、その位牌に対しまるで生きている時のように尽くさねばならなかった。朝夕の挨拶はもちろん、外出時の報告、毎月1日と15日の朔望日、新殻や果実が出回る薦新日の祭祀、子孫が官職に就くとか結婚などを知らせる「有事告」など、ごちそうを供えて各位牌に告げねばならなかった。
各位牌には高祖考妣、曽祖考妣などと書かれているがここでは亡くなった祖先の呼称は父母と言わずに考(父)妣(母)とたたえた。父から高祖までの位牌は各自カーテンで覆われ、その前には4つのテーブルがあり、まん中に香卓が置かれ、祠堂の周りは低い塀で取り囲まれている。
当主が外出する時は祠堂の門前でお辞儀をした後香をたき、「龍煥は釜山に行くことを謹んでお知らせいたします」「龍煥は本日釜山から帰ったことを謹んでご報告します」というようなことを毎回言うわけである。しかしこのようなことも朝鮮朝末期くらいまでで、今はもちろん見ることが出来ない。
画・文
木丁・金龍煥
|