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Home >> 民団生活相談 >> 法と生活
手形・小切手制度
  1.手形・小切手の機能

▼概念
  金銭や物品を取り引きしながら多くの場合、手形や小切手をやりとりしている。手形とは、一定の金額を支払いすることを目的にして発行される有価証券をいい、小切手とは、発行する人が銀行に対してその小切手を持って来る人に一定の金額の支払いをお願いするという形式の有価証券をいう。

▼手形と小切手の差異
  小切手の支払い人は銀行なので発行する前に銀行に資金を預けて置かなければならない。このために当座預金をしなければならないが、手形は必ず当座預金を利用しなければならぬものではない。

  2.手形・小切手発行時の留意事項

 手形・小切手を発行する時には一定の形式要件を満たさなければならない。
手形・小切手を発行することによって新しい債券・債務関係が生じ、また発行された手形・小切手は継続流通することが予想されるので、必ず記載しなければならない事項が法で厳格に規定されている。
  このような記載事項を漏れ落とせば手形・小切手自体が無効になったり発行人が考えていたのとはまったく違った結果を招くこともある。

 

3.手形・小切手取得時の留意事項

▼要件確認
  まず必要な記載事項を確認して、裏書欄の裏書が連続(受取人が第1裏書人になり、受取人の指定した被裏書人が第2裏書人になる形で継続されること)しているかを点検しなければならず、さらに該当銀行に手形・小切手に対する事故申告がないかを確認しなければならない。
  裏書が連続しても取り引き相手の信用状態が良くない場合には、取得しないか、財産がある人の裏書をもらって取得しなければならない。

▼偽造・変造の確認
  すでに記載した事項が訂正された場合、偽造・変造され予想できなかった損害が生じうるので、訂正・抹消の正当な権限がある者によって行われたものなのかを確認しなければならない。

▼手形公証
  手形に対して公証人や法務法人または公証認可合同法律事務所であらかじめ公証を受けておけば、敢えて訴訟をして判決を受けなくても公証人や公証認可合同法律事務所などから公証した手形に執行文の付与を受けて直ちに強制執行ができる。

▼その他
  小切手が不渡りになる場合には、小切手の発行人は手形の場合とは違い民事責任のほかに銀行の取引停止処分と不正小切手取締法による刑事処罰までも受ける。手形よりは小切手をもらうほうが、代金支払いをより確実に保障する方法だといえる。

 

4.手形・小切手譲渡時の留意事項

▼手形裏書の概念
  手形を譲渡する時は裏書によって行われる。裏書とは、手形の流通を増進させるために法が認めている簡便な譲渡方法である。手形を持っている人が普通手形の裏面に手形の権利を特定人に譲渡するという趣旨を書いて、自分名前とはんこを押してその特定人に与えることをいう。

▼手形裏書の方法
  手形を受ける者(被裏書人)は裏書人によって指定される場合と、指定されないで白紙の状態でそのまま譲渡(白紙式裏書)される場合がある。 手形に裏書することは、手形発行人の債務を保証すると同様な効果をもたらす。従って、たとえ発行人に信用がなかったりお金がなくても有力者が裏書すればその手形の信用は高くなる。

▼小切手の裏書
  小切手も手形の場合と同じ裏書が認められているが、小切手は支払いのみを目的にする特性のため手形の裏書とは違う点がある。すなわち、小切手裏書人は支払い担保責任だけを負担するので、支払い人(通常銀行)は裏書することができないし、支払い人に対する裏書は領収証の効力だけとなる。

 

5.手形・小切手事故の時の措置

▼偽造
  手形または小切手の偽造とは、権限のない者が他人の名前とはんこを偽造して他人の名で手形や小切手を発行することである。名義を盗用された人は、どんな人が請求してこようが手形または小切手が偽造されたことを理由に請求を拒むことができる。

▼変造
  手形または小切手の変造とは、権限のない者が記名捺印以外の手形または小切手の記載事項を変更・削除したり新たな内容を追加することをいう。手形が変造された場合、変造される前に記名捺印した人は元来の内容について責任を負い、変造された後裏書した人は変造後の内容に従って責任を負う。

▼紛失、盗難時の措置
  手形・小切手を紛失したり盗難にあった場合、所持人はまず警察署に紛失・盗難申告を行い、発行人および銀行にその事実を知らせると同時に支払い委託を取り消し、支払い停止をさせなければならない。その後、新しい取得者と合意をするか裁判所に公示催告手続きによる手形・小切手の除権判決を受けなければならない。除権判決があれば紛失・盗難された手形と小切手は無効となり、除権判決申請人は手形や小切手がなくても前述判決文で権利を行使しお金を支払ってもらうことができる。手形・小切手が毀損されるたり燃えて形態をわからなくなった場合にも除権判決を受けて権利を行使することができる。

▼不渡り
  手形・小切手の不渡りとは、手形・小切手の支払い期日に手形・小切手金が支払われないことをいう。不渡り事由としては、預金不足、取り引きなし、形式不備(印鑑欠落、署名・記名欠落、印鑑不明、訂正印欠落・相違、指示禁止・横線条件違反、金額・発行日誤記、裏書違反)、事故申告受付(紛失・盗難、だまされて発行または交付)、偽造・変造、提示期日経過または未到来(提示期日未到来は小切手の場合は除外)、印鑑・署名相違、支払い地相違、法による支払い制限などがある。

▼不渡り手形・小切手所持人の措置
  手形・小切手の所持人が額面金額を回収しようとすれば、発行人や裏書人など不渡り手形・小切手の債務者とその支払いを交渉し、最終的に民事訴訟をしなければならない。この場合、手形を正当に取得した者ならば発行人を相手に手形金請求訴訟を提起でき、この場合発行人が金融機関に預託した別段預金に関して仮差し押さえなどの措置を同時に取った方がよい。
  手形・小切手の所持人は、主債務者である約束手形の発行人と為替手形の引受人はもちろん裏書人や保証人を相手に順序に関係なく、その中の誰にでも請求することができる。また、全員に対して同時に全額を請求することもできる。この時、手形・小切手に関する請求は、一般債券に比べて時効期間が短いので注意しなければならない。
  手形の場合、発行人に対しては支払い期日から3年以内に、裏書人に対しては支払い期日から6カ月以内に請求しなければ時効が完成して手形債券を喪失する。小切手の場合、所持人が6カ月以内に発行人、裏書人に対して請求しなければ消滅時効が完成する。

 

6.刑事責任

 手形は不渡りになっても刑法上の詐欺罪に該当しない限り発行人などが刑事責任を負わないが、小切手は不渡りになれば発行人は不正小切手取締法によって刑事処罰を受ける。しかし、所持人が法に定めた10日以内に小切手を銀行に提示しない場合には不渡りがあっても不正小切手取締法違反罪で処罰されない。
  そして、先付け小切手の場合にも、小切手に記載された発行日付けから10日以内に提示しなければならない。この場合、小切手上の発行日付けより早く提示しても構わず、発行日が記載されていない小切手の場合には発行日を記載してその発行日から10日以内に提示しなければならないです。
  1993年12月10日の不正小切手取締法の改正で、小切手発行後の預金不足、取引停止処分などの事由で不渡りになった場合にはその小切手が回収されるか、回収されなくても小切手の所持人が処罰が願わなければ発行人は処罰されない。

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