5.手形・小切手事故の時の措置
▼偽造
手形または小切手の偽造とは、権限のない者が他人の名前とはんこを偽造して他人の名で手形や小切手を発行することである。名義を盗用された人は、どんな人が請求してこようが手形または小切手が偽造されたことを理由に請求を拒むことができる。
▼変造
手形または小切手の変造とは、権限のない者が記名捺印以外の手形または小切手の記載事項を変更・削除したり新たな内容を追加することをいう。手形が変造された場合、変造される前に記名捺印した人は元来の内容について責任を負い、変造された後裏書した人は変造後の内容に従って責任を負う。
▼紛失、盗難時の措置
手形・小切手を紛失したり盗難にあった場合、所持人はまず警察署に紛失・盗難申告を行い、発行人および銀行にその事実を知らせると同時に支払い委託を取り消し、支払い停止をさせなければならない。その後、新しい取得者と合意をするか裁判所に公示催告手続きによる手形・小切手の除権判決を受けなければならない。除権判決があれば紛失・盗難された手形と小切手は無効となり、除権判決申請人は手形や小切手がなくても前述判決文で権利を行使しお金を支払ってもらうことができる。手形・小切手が毀損されるたり燃えて形態をわからなくなった場合にも除権判決を受けて権利を行使することができる。
▼不渡り
手形・小切手の不渡りとは、手形・小切手の支払い期日に手形・小切手金が支払われないことをいう。不渡り事由としては、預金不足、取り引きなし、形式不備(印鑑欠落、署名・記名欠落、印鑑不明、訂正印欠落・相違、指示禁止・横線条件違反、金額・発行日誤記、裏書違反)、事故申告受付(紛失・盗難、だまされて発行または交付)、偽造・変造、提示期日経過または未到来(提示期日未到来は小切手の場合は除外)、印鑑・署名相違、支払い地相違、法による支払い制限などがある。
▼不渡り手形・小切手所持人の措置
手形・小切手の所持人が額面金額を回収しようとすれば、発行人や裏書人など不渡り手形・小切手の債務者とその支払いを交渉し、最終的に民事訴訟をしなければならない。この場合、手形を正当に取得した者ならば発行人を相手に手形金請求訴訟を提起でき、この場合発行人が金融機関に預託した別段預金に関して仮差し押さえなどの措置を同時に取った方がよい。
手形・小切手の所持人は、主債務者である約束手形の発行人と為替手形の引受人はもちろん裏書人や保証人を相手に順序に関係なく、その中の誰にでも請求することができる。また、全員に対して同時に全額を請求することもできる。この時、手形・小切手に関する請求は、一般債券に比べて時効期間が短いので注意しなければならない。
手形の場合、発行人に対しては支払い期日から3年以内に、裏書人に対しては支払い期日から6カ月以内に請求しなければ時効が完成して手形債券を喪失する。小切手の場合、所持人が6カ月以内に発行人、裏書人に対して請求しなければ消滅時効が完成する。 |