掲載日 : [2003-08-27] 照会数 : 7407
高レベルの授業へ 韓国語免許取得者(03.8.27)
50人突破…神田外語大で新たに20人
神田外語大学で01年から足かけ3年にわたる「科目等履修生・韓国語特別講座」を受講してきた全国の高校教員ら20人が近く、韓国語の教員免許状を取得することになった。昨年は天理大学での「認定講習」を受講した30人が同免許状を取得しており、取得者は50人を突破したことになる。有資格者の増加で韓国語教育のすそ野の広がりが期待される。
韓国語の授業に取り組む高等学校は「国際理解教育」に対するニーズの高まりを受け、80年代後半から全国的に広がりつつある。開設校は現在、170校余りとされる。
しかし、このなかで韓国語の教員免許状を持って授業をしている例は少なく、多くは臨時免許で教壇に立っているのが現状だという。新たに計50人もの免許状取得者が誕生することで、今後は学校現場での韓国語教育が質的に高まる。また、担当教員自身が確かな存在感を持つことになり、韓国語授業に対する周囲の評価も変わってきそうだ。
神田外語大学での「科目等履修生・韓国語特別講座」は23日までに足かけ3年間にわたる課程を終えた。受講生24人の約半数が現役の高校教員。遠く鹿児島や熊本、名古屋からも参加した。このうち最終的に20人が所定の24単位を取得、近く最寄りの自治体から正規の韓国語教育免許状を受け取る運びとなった。
なお、天理大学の「朝鮮語教員免許取得講座」は昨年夏に終了した。講座は2年越し36日間、1日8時間の集中講義で、30人が同大学から単位取得証明書を受けた。
今回の認定講習は全国の高等学校で韓国語の授業を受け持つ同胞と日本人教員で構成する「高等学校韓国朝鮮語教育ネットワーク」(事務局、国際文化フオーラム内)の働きかけで実現した。
都立日比谷高校で社会科を受け持ちながら第2外国語で韓国語を教えている武井一さんは、神田外語大学から単位修得証明書の発行されるのを待って東京都教育委員会に免許状を申請するという。武井さんは「正式な免許を持てば(韓国語の)授業を持ちやすくなるのでは」と期待している。
また、「高等学校韓国朝鮮語教員ネットワーク」の設立メンバーの1人、方政雄さんは「50人の免許取得者の誕生は喜ばしいが、隣国の言葉が日本の学校で当たり前の外国語として定着するにはまだまだ足りない。短期集中講座や通信教育でも免許を取得できるような方法が実現できれば」と話している。
(2003.8.27 民団新聞)