掲載日 : [2017-05-10] 照会数 : 6080
渡来人のルーツを探る…大阪歴史博物館特別展
【大阪】古代の韓半島と日本列島の間の豊かで多様な交流の歴史を描いた特別展「渡来人いずこより」が大阪市中央区大手町の大阪歴史博物館で開催されている。「渡来人」の出身地にスポットをあて、近畿地方やその周辺地域で出土した韓半島に関する文物と資料約460点を展示した。
フライパンのような形をした熨斗(のし)は古代のアイロンだ。皿のようなところで火を焚き、熱くなった裏面を布に当てしわを伸ばした。これは柏原市の高井田古墳からの出土品。同様のものが百済の武寧王陵(忠清南道公州市)で出土しており、百済と日本の関係を検討するのには欠かせない資料といえる。
角杯(かくはい)は牛などの角を模倣して作った飲用のための容器。先端がとがっていて角の名残を残している。韓半島では新羅に多くの事例がある。一方、日本列島で作られた須恵器の角杯はとがっていない。日本列島に伝わる際に「尖り」が欠落し、もじどおり「角(かど)のとれた」角杯となったようだ。
展示場に訪れた60代の日本人男性は、「関西圏を中心にした地域レベルでの交流が細かく記されている」と熱心に見入っていた。
6月12日まで毎日9時半〜17時(火曜日休館)。大人1000円、高校・大学生700円。中学生以下、市内在住で65歳以上(要証明書提示)は無料。問い合わせは同博物館(06・6946・5728、学芸課の寺井誠第一係長)。
(2017.5.10 民団新聞)