掲載日 : [2017-02-08] 照会数 : 5754
旧正月を楽しもう…餅つき、民俗ノリなど
[ 子どもたちも韓服姿で餅つき体験(東京の韓国文化院) ] [ 手作りの凧を手に駆け回るオリニ(京都国際学園) ]
ソルラル(韓国の旧正月)を楽しむ各種文化イベントが東京と大阪、京都で行われた。韓国では秋夕と並ぶ2大名節の一つ。今年は元旦にあたる1月28日の前日から30日まで4日間の大型連休となった。
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充実の文化体験
東京の韓国文化院
東京・新宿区の韓国文化院(金現煥院長)には1月28日、朝から夕方まで1100人が来場した。館内には先祖への供養物をのせた祭祀の膳「茶礼床(チャレサン)」を用意。韓国料理店「テーハンミング」の代表で韓国料理研究家の朴賢子さんが料理の説明などを行った。
また、子どもたちにも餅つき体験をしてほしいと子ども用の臼と杵を準備したほか、着る機会の少ない宮中衣装の試着と韓国伝統遊びであるユンノリ(双六)とチェギチャギ(羽根蹴り)の大会を設けた。
2階の韓国伝統工芸作り体験コーナーでは、韓紙を使った果物入れとトレー(子ども用)作りに大勢の人が参加した。人目を引いたのは制服を着た学生たち。関東国際高校で韓国語コースを専攻する男女25人が、果物入れに挑戦した。
引率した韓国語担当教員の金ドンウンさんは「韓国の文化体験で毎年、生徒を連れてくる」と話した。男子生徒は「図工が好きなので、めっちゃ面白い」と楽しんでいた。
1階では、同院職員たちが参加者たちに向かって、感謝の気持ちを込めたあいさつ「歳拝」を行った後、ユンノリとチェギチャギの大会と餅つきが行われた。韓服を着用した李俊揆駐日大使夫妻が参席。ユンノリでは、高得点が出るたびに声を出して喜び、子どもの餅つきでは、可愛らしい姿に笑顔を向けていた。
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子どもに戻って
大阪韓国文化院
【大阪】大阪韓国文化院(朴英恵院長)は1月24日から3日までの11日間、茶礼床やポクチョリをはじめ、ソルナル風習解説パネルなどを常時展示した。韓服試着やユンノリも体験できるとあって、人気を呼んだ。
目を引いたのは韓国と日本の花札が展示されていたことだ。日本の花札は紙、韓国の花札はプラスチックで出来ているなど、「その違いがめずらしい」と比較している人もいた。
今年は、初めての試みとして韓国の「伝統凧作り」を実施した。初日当日は、一般応募から日本の男女7人が参加した。細い竹にノリをつけて紙に張り付けていくこまかい作業に参加者たちは真剣な眼差しで「難しいけど楽しい」「子どもの頃を思い出す」と楽しんだ。
紙福チュモニや紙韓服作りコーナーでは、色鮮やかな紙を使用。特に韓服作りでは、まるで本物のように仕上がった作品を見て、「チマ・チョゴリのミニチュアみたい」と手にしている人もいた。
新年を迎え、めでたい言葉や願い事などを毛筆でしたためた「ハングル書き初め会」も人気を集めた。
朴院長は「子どもにもどって韓国の遊びを楽しんでもらいたいと思い開催した。韓日関係が難しくなっているが、文化交流を通して理解しあい、両国の懸け橋になれば」と期待をよせた。
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凧揚げを楽しむ
京都国際学園
【京都】京都国際学園(金晃理事長、河東吉校長)は「新春オリニ旧正月イベント」として1月21日、同校で凧揚げ大会を行った。
凧は韓国伝統の盾形。参加のオリニ17人は在校生や京都韓国教育院から来たボランティア大学生たちの手を借り、約1時間かけて手作りした。できあがると同校「ユイマール広場」に飛び出して、元気に凧揚げを楽しんだ。お昼には同校が参加者のために用意したトックで冷えきった体を温めていた。
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近隣の小学生と
金剛学園
【大阪】金剛学園(趙栄吉理事長、尹裕淑校長)は1月27日、全校あげて多彩な民俗ノリを楽しんだ。
小学生は全員、体育館に集まった。尹校長に新年のあいさつを済ませると、おもりにカラフルに染めた紙を巻き付けたチェギづくりに没頭した。できあがると楽しそうに羽根蹴りを楽しんだ。
このほかユンノリ(双六)、ペンイ(独楽回し)、タッチ(めんこ)、コンギ(おはじき・お手玉)、コヌ(陣取り)などにも夢中になっていた。近隣の大阪市立南港緑小学校から招待した5年生15人、同じく大阪市立南港渚小学校の5年生23人も一緒に楽しんだ。
中学校高学年は各教室で竹ひごを紙に貼り付け、伝統の凧を制作。足には今年の願いごとや目標を記入した。できあがると運動場に飛び出し、駆け回った。この後、中・高校の生徒で合同チームをつくり、ユンノリ合戦に興じた。優勝チームには景品が贈られた。
昼には給食の弁当と一緒に、PTAが準備した心づくしのトックに舌鼓を打っていた。
(2017.2.8 民団新聞)