掲載日 : [2016-12-07] 照会数 : 5811
朝鮮通信使の集い東京で…記憶遺産登録に照準
「朝鮮通信使の集いIN 東京」が11月27日、東京・新宿の早稲田大学で開かれ、通信使が果たした韓日交流の歴史的意義に対する認識を深めるとともに、来秋のユネスコ世界記憶遺産登録に向けた広報活動に弾みをつけた。対馬市とNPO法人朝鮮通信使縁地連絡協議会(縁地連)による共催。民団中央、同東京本部などが後援した。
1部のセミナーには180人が詰めかけた。はじめに緑地連の松原一征理事長が、韓日共同でのユネスコ登録の意義を強調。続いて登壇した下関市立歴史博物館の町田一仁館長(朝鮮通信使ユネスコ記憶遺産日本学術委員会副会長)は、「朝鮮通信使に関する記録」のユネスコ記憶遺産登録をテーマに、日本側の登録対象史料48件209点と韓国側の63件124点の計111件333点にのぼる文書や絵巻などをパワーポイントを使って紹介した。
事業報告では、縁地連の阿比留正臣事務局長が、今年1月に韓国の財団法人釜山文化財団とユネスコに共同申請の調印を行い、3月には文書を発送した事実、11月にパリのユネスコ本部を訪問して担当者と面談し、「来秋9月にも登録が実現するのではないか」と感触を得たと述べた。
「対馬物語」上演も
2部では、縁地連が事務局を置く長崎県対馬市の市民劇団「漁火」が、ジェームス三木氏が書き下ろしたミュージカル「対馬物語」を大隈記念講堂で上演した。豊臣秀吉の朝鮮出兵(戦争)から、徳川家康の通信使復活(和平)への大転換を迫られた対馬・宗家の苦悩の判断を題材にした歴史ストーリーに約600人が耳目を奪われる一幕になった。
(2016.12.7 民団新聞)