掲載日 : [2016-10-26] 照会数 : 9801
次世代育成へ決意…創団70周年式典参加者「新たな民団創る」
[ 会場からステージを見守る参加者 ]
21日の民団創団70周年式典に参加した同胞は感慨深げに過去を振り返り、次世代育成への決意を胸に刻んだ。
李純午さん(50、民団宮城本部副団長)は、アボジが創団70周年で表彰されるのを見て、今日の民団を私たちに残してくれた先人たちの苦労をしのんだという。「民団は一つの節目を迎えている。これからは責任世代と言われる私たちが後継世代を育成していかなければならない」と自らに言い聞かせていた。
寿隆さん(44、民団兵庫・東神支部支団長)も「私たちにはこれから新たな民団を創りだしていく責任がある」と語った。
黄昌吉さん(66、民団東京本部執行委員)も思いは同じ。「式典の内容はよかった。意義もある。だが、これからの民団を担う次世代の育成について話し合う場のほうがもっと重要だったのではないか」と付け加えた。
李英俊さん(55、民団広島団長)は「70周年は一つの区切りだ。でも、いつまでもお祝い気分に浸っているわけにはいられない」と強調した。
組織あればこそ
李和枝さん(64、元東京韓国学校初等部教監)は1966年に実施された本国夏季学校の第4期生。「在日としてのアイデンティティーを強く持つことができたのも、民団という大きなバックグラウンドがあったからこそだと思います。今日の映像やパンフを見ながら、初めて同胞を見た感動と、本名で名乗る勇気を与えてくれた父の姿がだぶり、胸が熱くなりました」と語った。
朝鮮通信使の史実を日本で紹介した在日同胞の歴史研究家、故辛基秀夫人の姜鶴子さん(83、東京)は「民団という在日団体があったからこそ、娘らは差別されながらも本名で在日として生きてこられたと思う。在日同胞の財産である民団を、次世代が大切にしてほしい」と述べた。
当事者の次世代たちはどう感じたか?
奇龍寿さん(20、学生会中央本部会長)は「映像や祝辞を通して民団の歴史と愛国・愛郷心をあらためて知った。70年の歴史をパワーに、これからの民団をしっかり受け継いでいきたい」としながら、「ヘイトスピーチは減りつつあるがまだ根絶してない。僕たちの次の世代がそんな差別に合わないよう活動していきたい」と新たな決意を示した。
秋貴志さん(28、青年会中央副会長)も「1世、2世らのたくましさが今の民団と同胞社会を創ってきたことを実感した。先輩たちに負けない組織づくりのためにも多様化する青年たちの意見を収れんしていきたい」と語った。
(2016.10.26 民団新聞)