掲載日 : [2016-11-09] 照会数 : 7715
深まる秋、民団「10月マダン」各地で
[ ステージで伝統芸能サムルノリを披露(佐賀) ] [ 親子一緒に楽しめる競技が盛りだくさん(三重)
]
本格的な冬の訪れを前に民団の秋の風物詩、「10月のマダン」行事が各地で続いている。この時期は天候にも恵まれ、心地よい汗を流せる運動会が目立つようだ。一方、地域との市民交流も年々、盛んになっている。
創団70周年記念ふれあいマダン
佐賀本部(鄭清俊団長)の「第11回ふれあい交流マダン」は同本部の創団70周年記念事業としての位置づけ。同民団が中心となって実行委員会を構成し、10月23日、佐賀市の656広場で開催した。会場は同胞と日本人市民約600人でにぎわった。
ステージではテコンドのリオ五輪代表、濱田真由選手(22、佐賀市川副町)=ミキハウス=が模範演武を披露し、会場から喝采。伝統芸能サムルノリも人気を集めた。会場の子どもたちからは「かっこよい」、「習いたい」という声が聞かれた。
韓国屋台には観客が長い行列をつくった。対応した婦人会会員らとスタッフは汗だく。韓服試着体験のコーナーには若い同胞家族の姿も見られた。
鄭団長は「70年間、韓日交流の懸け橋となるように活動を続けてきた。両国間には問題もあるが、民間から交流を盛り上げていきたい」と力強く語った。
新定住者や地域住民共に運動会
広島本部(李英俊団長)は10月29日、広島市中区スポーツセンターでの運動会。団員ばかりか留学生、新定住者、地域住民まで老若男女250人が心地よい汗を流した。プログラムは大玉送り、パン食い競走、○×ゲーム、綱引きなど。なかでも伝統民俗ノリの投壺(矢入れ)やチェギチャギは評判がよかった。
競技参加者にはもれなく商品券や参加賞などが手渡された。
韓国語受講生と映画鑑賞し交流
高知本部(鄭慶文団長)は6日、高知市内のちより街テラスで話題の韓国映画「あなた、その川を渡らないで」を上映した。団員と日本人の韓国語受講生ら20人が参加。上映後は食事を取りながら映画の感想を語り合った。
夫婦で鑑賞したある団員は「うちの夫婦も仲良しだけれど、今日は手をつないで帰ろうと思う」と語った。
運動会に6百人 民俗芸能競演も
三重本部(殷慶基団長)の「10月マダン親子大運動会」は今年で節目となる35回目。10月23日、会場の四日市ドームには例年を上回る600人以上が集まった。
プログラムは親子一緒に楽しめる競技が盛りだくさん。地域対抗リレーでは代表選手の健闘を祈り、各支部が声援を送った。最後の大抽選会では、大韓航空で行く韓国往復ペアチケットなど、さまざまな賞品が配られた。当選総数は216本。およそ3人にひとりが当たりくじを引き、歓声を上げた。
アトラクションとして日本の和太鼓集団「不知火(しらぬい)」による「諏訪太鼓」と、民団が産みの親となった塩浜農楽隊による「湖南右道農楽」が披露された。農楽隊には今年初めて演奏者の保護者が加わった。
殷団長は「参加者数、内容とも今年は過去最高。これからも新しい企画で団員に喜んでもらうつもりだ」と話した。
韓・日・露3カ国サムルノリ演奏
石川本部(金沂秀団長)は10月16日、河北郡の内灘町サイクリングターミナルで「韓日祝祭10月のマダン」と題して開催。同胞と日本人145人が秋晴れの1日を共に楽しんだ。
婦人会石川本部(孫美恵子会長)からも10人が参加。祝賀公演でコーラスを披露し、バーベキュー料理の準備にあたった。韓・日・露3カ国のメンバーで構成する伝統打楽器グループ「ハンヌリ」による公演とサムルノリも好評だった。最後に各種景品の当たる抽選会も参加者に好評だった。
同胞高齢者慰労 韓日の歴史講演
群馬本部(朴旋用団長)は10月29日、桐生韓国会館で敬老会を開催した。70歳以上の高齢者10人が参加。出席者中、最高齢の金炯さん(94)が語る韓日の歴史についての講演を聞き、NHKドキュメンタリー「関東大震災と朝鮮人 悲劇はなぜ起きたのか」を鑑賞した。お土産に参鶏湯、生姜茶などが贈られた。
旧沼ノ倉発電所徴用同胞を慰霊
福島本部(金仁河団長)は10月27日、会津地区猪苗代町、旧沼ノ倉発電所の導水貯水池の畔に建つ「朝鮮人殉難者慰霊碑」を訪れ、犠牲者の祭祀を行った。同本部は毎年、10月のマダンとして第2次大戦中に犠牲となった同胞の供養を続けている。今回が3カ所目。民団役員を中心に25人が参加した。
猪苗代町役場の「埋火葬認証下附診断書綴」によれば1939〜46年中に亡くなった同胞は少なくとも33人。死因は心臓麻痺、脳出血、全身衰弱症、慢性胃腸カタル症のほか、導水路作業中の埋没、胸椎骨骨折、頭部打撲傷、溺死など。
発電所は日本の敗色が濃くなっていくなか、44年12月に完成した。
(2016.11.9 民団新聞)