掲載日 : [2016-03-09] 照会数 : 5977
日清戦争テーマで歴史学者が講演…鳥取「在日講座」
【鳥取】民団鳥取本部(薛幸夫団長)は2月20日の「第24回在日講座」で「日清戦争」を取り上げた。会場となった鳥取市内のとりぎん文化会館には30人以上が集まり、日本の歴史学者2人による講演に耳を傾けた。
日本近代史を専門とする佛教大学の原田敬一教授は、「日清戦争とは何だったのか」と題して講演。後半は北海道大学名誉教授の井上勝生さんが、「東学農民戦争そして日清戦争」と題して核心に迫った。
井上さんは90年代初頭、北大の古河講堂から東学党首魁首級(頭蓋骨)が発見され、研究にのめりこむようになった。「武器により侵略された民族で抵抗しない民族はない」と強調。東学の思想について「単に宗教的なものやイデオロギーではなく、『人乃天』と信じ、民衆や農民が生活実感のなかで連綿と保持してきたもの。現代韓国の民主化の過程や民主主義への希求、つまり自由と平等意識にも脈打っている」と語った。
薛団長は「在日同胞も1世を通じて東学の精神を受け継いでいる。今回の講座は2015年度活動を締めくくるにふさわしい内容になった」と述べた。
(2016.3.9 民団新聞)