掲載日 : [2016-10-12] 照会数 : 6712
<民団西東京>同胞療養者と交流…多磨全生園慰問
[ 在日1世の愛唱歌を歌い踊る療養者たち ]
【西東京】民団西東京本部(全實団長)は婦人会西東京本部(鄭照子会長)のメンバー10数人とともに7日、東村山市の国立ハンセン病療養所多磨全生園を慰問。病は癒えても老人性疾患などの後遺症に苦しむ同胞療養者たちとカラオケで交流のひとときを過ごした。
園内で余生を過ごす同胞は毎年減り続けており、現在は18人。この多くが病棟で暮らしており、交流会に参加できたのは6人だけだった。
全団長は「いつまでも体を大事にしてください。来年も再来年も会えるように」と呼びかけた。これに対し同胞互助会代表が「今年も3人が亡くなり、いちばんさびしい思いをしているときに来てくれた。今日の日を忘れないように頑張りたい」と言いながら涙をぬぐった。
カラオケからは「夢に見る故郷」など在日1世の愛唱歌が次々に流れてきた。「青春の告白」を選択した男性療養者は「病気になったことを家族に言えず、ここに逃げてきた。私はたくさんの罪を犯した」と胸の内を明かした。
91歳の女性療養者が選曲したのは温かな親子愛をテーマとした童謡・唱歌「浜千鳥」。2番は韓国語で歌った。30歳のとき幼い子ども2人を置いて入院した直後、母親を思いながら戸外に出て泣きながら歌った曲だという。
民団から参鶏湯、婦人会からはお菓子を手土産として持参した。
(2016.10.12 民団新聞)