掲載日 : [2016-07-27] 照会数 : 7410
<韓信協総会>「経営力強化」一丸で…さらなる統合推進
[ 韓信協の創立60周年祝賀会(22日、東京) ]
創立60周年を迎えた在日韓国人信用組合協会(韓信協=呉龍夫会長)の第65回通常総会が22日、東京都内のホテルで開かれ、1,マイナス金利への対応2,リスク管理の強化3,ガバナンス体制強化4,経営力強化委員会の積極活用を柱とした新年度事業計画を決めた。
6会員組合の代表と協会理事あわせて14人が出席、各議案を原案通り承認した。来賓として民団中央本部の呉公太団長、駐日韓国大使館の韓財経官、韓商連の朴義淳代表理事、韓国銀行東京事務所の張廣洙所長、SBJ銀行の徐松洙取締役が参席した。
呉会長は、「我われを取りまく金融情勢は非常に厳しいものがある。とくに同胞社会では基幹産業とも言える遊技業、不動産、飲食、ホテル関連が苦戦している」としながら、「こういう時だからこそ、各組合が情報交換し、何をすべきか、何ができるかを考え、一丸となって同胞社会を支えよう」と呼びかけた。
呉団長は70周年を迎える民団についてふれ、「3〜4世の時代に移ろうとしている今、同胞社会を牽引していく上でも金融機関と商工人の役割が大切」としながら「さらなる統合も視野におき、同胞社会が団結していこう」と語りかけた。
韓財経官も「日本ばかりでなく世界的に金融情勢は激変している。韓信協会員組合だからこそ、効率性を活かして地域同胞社会の中小企業を支えてほしい。そのためには大使館として最大の協力をしていく」と述べた。
今年度事業計画として、マイナス金利への対応では1,融資基盤の拡大と強化2,協調融資方案の模索3,余資運営の多角化を図っていく。また、リスク管理とガバナンス体制を強化していくほか、各種経営指標の改善と充実化(自己資本比率向上と不良債権比率改善)へ努力していく。
2014年に設置した「融資推進ネットワーク」についても、会員組合同士の利害調整と協調融資模索の場にしていくよう機能を見直すことにし、「経営健全化協議委員会」を発展させた「経営力強化委員会」では、将来を見据えた合併・統合についても研究を行っていくことを打ち出した。
このほか、会員組合の生き残りを支援するため、各組合同士の連携を従来以上に強化し、大使館や本国銀行在日支店との協力関係を広げていくとした。
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試練克服へ決意新た
会員組合ら創立60周年祝う
総会後、韓信協創立60周年を祝う集いがもたれた。会員6組合の役員、総会での来賓にあわせ、民団中央の呂健二議長、韓在銀監察委員長、金秀吉民団東京本部団長をはじめ、韓国大使館の洪東昊経済公使、全国信用協同組合連合会の内藤純一理事長や、2005年のペイオフ全面解禁に備えて本国政府の支援資金を取り付けた、元駐日大使の羅鍾一氏らもかけつけた。
呉会長は「60年前、5組合を母体に産声を上げた協会は、82年には会員39組合を数えたが、バブル崩壊、98年のアジア通貨危機などによって日本の金融機関は大小問わず経営破たんに陥った」とふり返りながら、「昨今の異次元的な金融緩和やマイナス金利政策の逆風を跳ね返し、在日同胞経済や地域経済を支え、共存共栄できるよう会員組合が心を一つにしていこう」と新たな決意を述べた。内藤理事長は「全国153組合の中で韓信協6組合も含め、どう収益をあげていくかがカギ。地域社会の経済を支えるという原点に立ちもどり、60年間という力に自信を持って突き進んでいただきたい」と期待をこめた。
羅元大使も「大使赴任当時、韓信協の力になれたことは私の誇りでもある。会員組合が大統合し銀行化という大望を唱えたこともあったが、今後も全組合が団結し同胞社会の経済を支えていってほしい」と述べた。
この後、前会長の洪采植顧問が乾杯に先立ち、「民団、韓信協、韓商が三位一体となって同胞経済発展をめざそう」と呼びかけた。
(2016.7.27 民団新聞)