掲載日 : [2016-04-20] 照会数 : 6309
高麗郡建郡の歴史まちおこしに活用…高麗文康氏が民団中央で講演
[ 「記者・市民セミナー」で講演する高麗文康氏 ]
高麗家の第60代当主、高麗文康さん(高麗神社宮司、埼玉県日高市)が6日、民団中央本部の「記者・市民セミナー」で特別講演した。テーマは「高麗郡建郡1300年と地域づくり」。
高麗郡建郡1300年を「地域で盛大に祝いたい」というのは先代宮司の願望だった。すでに高麗郡の地名が廃止となってから100年が経過していた。やがて記憶の彼方に追いやられ、風化していくことに強い危機感を覚えてのことだった。
文康さんは2002年から高麗神社独自に雅楽の演奏会や講演会、チャリティーイベントなどを企画し、高麗郡をアピールしてきた。だが、住民の反応は鈍かった。あきらめずイベントを重ねていくと、今度は住民自らがまちおこしに活用しようと動きだし、やがて日高市をも動かした。「この地で苦労した高麗人(こまびと)を含むすべての先人への感謝の気持ちを育てたかった。それと高麗の文化にも親しんでもらうこと。歴史を土台とした地域づくり、まちおこしを続けていくことが大事」と語った。
文康さんの先祖は高句麗からやってきた王族の一人、高麗王若光。朝廷が716年に未開だった武蔵の国の一角に置いた高麗郡に初代郡長(現在の県知事クラス)として赴任し、一族とともにこの地を切り開いた。死後も郡民から慕われ、高麗神社に祭られた。
(2016.4.20 民団新聞)