掲載日 : [2016-05-11] 照会数 : 4699
<新宿韓国商人連合>避難住民の帰還応援…川内村かえるマラソン参加
[ カエルのキャップをかぶって走る呉永錫さん(右) ]
【福島】東日本大震災と東京電力福島第一原発事故のため、一時は全村避難を余儀なくされていた川内村で「復興から創生への折り返し」をテーマとした第1回川内の郷(さと)かえるマラソン(同実行委員会主催)が4月30日に開かれ、北海道から沖縄の石垣島まで全国から市民ランナー300人余りが応援で参加した。
東京からも新宿韓国人商人連合会の呉永錫会長が関係者12人とともにボランティアとして駆けつけた。
スタートから4キロ地点では商人連合会と一緒に参加した鄭愛鎮韓国舞踊学院(新宿区大久保)の生徒5人が韓服姿で民俗楽器を打ち鳴らし、ランナーを激励した。ランナーも手を振って応え、スマホで動画を撮影するなどしていた。鄭院長は「逆に応援してもらった」と笑顔を見せた。
呉会長も自ら10キロマラソンにエントリー、大会名誉会長を務めた岩城光英法相と一緒になって約1時間がかりでコースを完走した。呉会長は、「県外で避難生活を送っている川内村の住民が、1日も早く帰ってくることを祈って走りました」と息を弾ませていた。
同村では除染が進み、萩・貝ノ坂の2地区(計19世帯51人)を除いて避難指示はすべて解除されている。だが、県内外で避難生活を送っている住民は未だ1038人を数える。被災直前の人口3038人のうち村で生活を再開できたのは6割にしかすぎない。
川内村は呉さんが実行委員長を務めて2011年に新宿・大久保公園で開催した被災地支援チャリティーイベントで地元産の野菜を販売した。それがきっかけで両者の関係が深まり、呉さんを中心とする新宿の同胞商店主たちは12年から14年まで毎年、川内村で炊き出しを行ってきた。支援金も過去2回、計60万円を届けている。今回もマッコリ、エゴマ油、蜂蜜、冷麺、百年草茶など各300個ずつを遠藤雄幸村長に届けた。
(2016.5.11 民団新聞)