掲載日 : [2016-06-29] 照会数 : 5730
ソウル大学行政大学院で日本人初の博士号…中村虎彰板橋区議
「在日韓国人の力になりたい」
中村とらあきさんは4月、民団板橋支部「桜見の集い」で団員と交流した。今年初めて婦人会の全国大研修にも講師として呼ばれ、「みなさんのお力になりたい」と訴えた。
難関のソウル大学校行政大学院で行政学博士の学位を取得した。日本人の博士号は同大学院初。専門は行政学、公共経営など。
「韓国は公会計にいち早くバランスシートを導入するなどIMF事態以降、ものすごく努力した。行政改革もダイナミックで決定速度がとても早い。日本と比較するうえで、同じアジア圏の韓国が勉強するうえで最適と考えた」
慶応大学の大学院博士課程を単位取得退学して1999年8月に留学。当初、韓国語はごく初歩的な知識しかなかった。昼間は韓国語の学習、夜は英語と韓国語の専門書と格闘する毎日。7、8枚のレジュメをつくるのに1カ月かかったことも。結局、博士号取得まで7年半かかった。
中村さんは、「頑張ればなんとかなる」と自らを励ましてきたという。人からは「ものに動じない」性格だと評されている。それでも、5年間の奨学金受給期限が切れて日本語学校で2年間アルバイトしたときは内心、大変だったにちがいない。
学位取得後はソルブリッジ国際大学で7年余り助教授として勤務した。日本には14年冬に帰国。韓国滞在は15年間におよんだ。現在、自民党板橋区議で明治大学兼任講師も。44歳。
(2016.6.29 民団新聞)