【埼玉】2016年は高麗郡建郡から1300年。高句麗からの渡来人ゆかりの日高市では、いたるところ「2016年高麗郡建郡1300年」の黄色いのぼりが翻り、お祭りムードが盛り上がっている。市民有志は「にじのパレード」でお披露目する高句麗衣装の製作におおわらわ。このほか、マンガ本やミュージカルの製作も進んでいる。
高句麗衣装で市内パレード
記念式典は日高市が主催して5月21日、市文化体育館ひだかアリーナで行う。約2000人が出席する予定。翌日には市中心部で「市民参加の古代衣装行列‐にじのパレード」がある。奈良時代の716年に高句麗からの渡来人1799人が武蔵国に移住して高麗郡を建郡したとの故事にならい、パレード参加者は1799人を目標としている。
着用する高句麗衣装は市の提供したサテンとポリエステルの布を使い、市民有志が手作り。7色を基本に、裁断から縫製まで各自オリジナルの1着を製作している。参加者は「色がかぶらないよう、迷いながら配色を決めるときが最高にうれしい」と話している。なかにはえりにレースやビーズを入れたりと自由な発想で楽しんでいる。
高麗王若光物語マンガ自費出版
マンガ本(仮称)『高麗王若光1300年物語』(比古地朔弥作、高麗文康監修)は、高麗家60代目当主の高麗文康宮司の少年期を素材に、その祖先をロマンあふれるマンガで描くというもの。一般社団法人「高麗1300」と「高麗若光の会」による共同事業だ。
製作資金は市民からの協賛金1口5000円以上で補う。2月29日まで受け付けている。返礼は「若光」大絵馬と4月に発刊する作者・監修者のサイン入り本。
高麗郡建郡をテーマとしたミュージカル「つむぐこまびと」(同製作委員会)は、高麗文康宮司著の歴史ロマン小説『陽光の剣‐高麗王若光物語』をもとにしている。脚本は「宮司さんの本を読んで感銘を受けた」という劇団「鳥獣戯画」のかとう知恵理さん。
5月21日19時、高麗神社神楽殿で上演する。チケットは雨がっぱ付き1000円(子ども500円)。
渡来人上陸の地大磯へウオーク
高句麗からの渡来人が上陸したと伝えられる神奈川県中郡大磯町まで4日間かけてウオーキングするという計画も進んでいる。発案者は「21世紀の朝鮮通信使 ソウル‐東京友情ウオーク」隊長の遠藤靖夫さんと川越唐人揃いパレードで事務局長を担う小川満さん。
計画では4月26日に高麗神社を出発。各地の遺跡を確認しながら歩き、29日の大磯町入りをめざす。実行主体は一般社団法人「高麗1300」。このほか、「渡来人の里(文化)サミット」を9月に東京で開くことも決まった。
一般社団法人「高麗1300」の平野直樹事務局長は、「2016年は8月と10月を除いて行事が目白押し。しかし、花火を打ち上げて終わりではない。今年を出発年に新たなまちおこしをスタートさせていく」と長期的視点で町おこしの計画を練っている。
(2016.1.1 民団新聞)