「絵本のノーベル賞」とも呼ばれる「ボローニャ・ラガッツィ賞」で、韓国の絵本が5部門すべてで優秀賞を受賞した。イタリア・ボローニャ市で毎年開催される「ボローニャ国際児童図書展」は、世界最大の児童図書および児童向けマルチメディアの世界最大の見本市。ここに出展した出版社の作品のなかから選ばれるのが「ボローニャ・ラガッツィ賞」で、世界で最高峰の賞の一つ。今年の図書展は30日から4月2日まで開かれる。
ボローニャ国際児童図書展は1964年に始まり、ラガッツィ賞は66年に制定され今年で50回目を迎える。
今回は世界40余カ国から1455点の応募があった。フィクション、ノンフィクション、ニューホライズン(第3世界対象)、新人賞(処女作のみ対象)、ブック&シーズ(新部門/農業、飢餓、生物多様性など)の全5部門。優秀賞は各部門で3〜5点ずつ選ばれる。
今回、韓国の優秀賞はフィクション部門ではチョン・ユミ著『私の小さな人形箱』とチ・ギョンエ著『The Little Wall』の2点。ノンフィクション部門はキム・ジャンソン、オ・ヒョンギョン著『たんぽぽはたんぽぽ』(写真)が選ばれた。
ニューホライズン部門ではパク・ヨンチョル著『テル・テル』が選ばれ、新人賞部門では、チョン・ジノ著『上を見て』が、ブック・アンド・シーズ部門では、アン・ヨンウン、キム・ソンヒ著『世界で一番大きなケーキ』が入って計6点となった。
韓国ではBIB(ブラティスラヴァ世界絵本原画展)、国際アンデルセン賞、ボローニャ・ラガッツィ賞、日本ではコールデット・コット賞、ケイト・グリネイ賞、BIBをそれぞれ「世界3大絵本賞」と位置づけており、韓国ではボローニャ・ラガッツィ賞を児童書のノーベル賞、日本ではアンデルセン賞を小さなノーベル賞と呼んでいる。
韓国は04年に初めてラガッツィ賞の優秀賞に選ばれて以来、昨年まで3点が大賞、8点が優秀賞に選ばれている。全部門で韓国絵本が優秀賞に選ばれたのは今回が初めてで、短い時間に世界のトップレベルに上り詰めたと言っていい。
本紙連載中の絵本作家、キム・ファンさんは「1980年代に出版社に入社した韓国の友人は『私たちがボローニャにいったのは、本を見るため。自分たちが出展するなんて、夢にも思わなかった。わずか30年ほどでの5部門すべての受賞は、まさに快挙』だと話している。韓国の絵本は優れた芸術性と豊かな表現力で、海外で翻訳出版されることが多くなっている。今回の快挙で、ますます海外に広まっていくだろう」とコメントを寄せた。
(2015.3.4 民団新聞)