

絵で見る朝鮮通信使「絵本 朝鮮通信使」原画展が、東京・新宿の高麗博物館で開催中。
朝鮮通信使が寄港した港のひとつが室津(兵庫県たつの市御津町室津)で、その地元の市民団体「嶋屋」友の会が10年かけて「絵本 朝鮮通信使」を2021年に刊行した。その原画20点に加えて、19年の高麗博物館企画展「江戸時代の朝鮮通信使」のパネル数点、朝鮮通信使行列模型などを展示している。
「嶋屋」とは、近世から近代にかけて室津で廻船問屋として活躍した豪商を指す。建物の跡地は現在、「たつの市立室津海駅館」の名で室津の歴史を伝える資料館となり、朝鮮通信使に関する資料も多く展示されている。
嶋屋』友の会は、室津が朝鮮通信使の寄港地の一つだったことから、友好の歴史を多くの人々に伝えたいと同書の刊行に取り組んだ。発行以来、評判を呼び、各地で絵本原画展を開催している。絵本 朝鮮通信使(監修:仲尾宏/絵:綱本武雄/執筆:柏山泰訓、B5判、オールカラー74㌻、定価1320円)は同館でも販売中。
朝鮮通信使に関する韓日両国の資料が、ユネスコの「世界の記憶」に選ばれたのは17年。隣国同士の平和で対等な関係が200年にわたり続いたことが世界史の中でも稀有なことである、ということがその理由だった。同展を通してその善隣友好の歴史を知ることが出来る。最近の韓国ブームを反映して、若者の来館者も増えており、同館ではカフェコーナーを設けて、展示の感想を聞くなどしている。最近は「韓国の歴史ドラマを観て関心を持った」という若者も多いという。
同館の村上啓子理事は「260年間の友好と平和、そして文化交流が盛んになった時代をぜひ知ってほしい。また善隣友好の前に豊臣秀吉の朝鮮侵略という史実があったことも理解してほしい」と語った。
同展は6月21日まで。入館料一般500円ほか。またトークイベント「朝鮮通信使を伝える試み」が5月23日午後2時、同館で開催。講師は綱本武雄(イラストレーター)、柏山泰訓(「嶋屋」友の会事務局長)、コーディネーター:小川満(「埼玉・コリア21」事務局長)。朝鮮通信使が訪れた「室津」をこよなく愛し、通信使への想いを絵本にまとめた2人に、故郷と通信使、そして絵本製作の思いを語ってもらう。参加費:1000円(入館料含む)。☎03・5272・3510(高麗博物館)。