掲載日 : [2020-10-28] 照会数 : 5324
「日本への好感度は別、韓国にとって重要」韓日共同世論調査
韓国人の対日印象や韓日関係に関する認識がこの1年間、急速に悪化していることが15日、判明した。日本の非営利団体「言論NPO」と韓国の民間シンクタンク「東アジア研究院」が韓日で1000人ずつを対象に9~10月に行った第8回世論調査の結果だ。
調査によれば、日本の印象を「良くない」と答えた韓国人は22ポイント増の71・6%。「良い」は同19ポイント減の12・3%だった。これは反日感情からというよりも、昨年7月から輸出規制厳格化が影響しているようだ。
一方、日本人の韓国に対する印象は「良くない」が46・3%と19年に比べると3・6ポイント減った。日本人の韓国に対する認識も厳しい状況だが、この1年で見ると大きな変化はなく、韓国の国民意識の変化が際立っている。言論NPOによると、2013年の調査開始以降、「最悪の水準」という。
「良くない」と答えた理由(複数回答)は「歴史を正しく反省していない」が61・2%で最多。独島をめぐる「領土対立」が45・0%で続く。日本の政治家の言動への反感は24・0%、輸出規制措置は8・8%、日本人の嫌韓感情については7・5%だった。
言論NPOの工藤泰志理事長は、元徴用工問題や輸出規制厳格化などを念頭に「政府間の不信構造がこうした状況を招いた」と指摘。新型コロナウイルスの影響で民間の人的交流が停滞する中、放置すれば対日感情がさらに悪化する恐れがあると警告した。
ただし、韓国では82・0%が「日本はわれわれにとって重要」と回答。いわゆる徴用工問題の解決策についても、「判決どおりに日本企業が賠償すべきだ」としたのが36%だったのに対し、金銭的支援は韓国側が担うなど、日本側に損害を生じさせるべきではないとの見方も3割を超えた。東アジア研究院側は「日本に対する好感度とは別に、経済協力や民間交流の重要性は韓国側が認識しているという意味」と分析した。
反面、「韓国は日本にとって重要だ」という日本の認識は48・1%と半分を下回った。ちなみに2013年の初回調査時は73・6%だった。
悪化した韓日関係に対して自国政府がどう取り組むか。調査結果によれば、韓国国民の半数近くは「日本側の誠意ある姿勢がなければ積極的に対応する必要ない」と回答。日本国民も「将来的には対応すべきだが、韓国が現政権である間は対応しない」と考えるのが31・1%と最多だった。
工藤理事長は「徴用工問題から始まる歴史問題の解決に向けて両国政府がどのような努力を行うのか。両国民の関心もそこに集まっている」と締めくくった。
(2020.10.28 民団新聞)