掲載日 : [2016-04-06] 照会数 : 5959
「対北」結束を強化…安保理決議徹底履行へ
朴大統領 米、日、中首脳と会談
核安全サミットに参席するためワシントン入りした朴槿恵大統領は3月31日(現地時間)、韓米、韓米日、韓日、韓中の順で首脳会談を精力的に行い、各国首脳とともに、軍事挑発を継続する北韓に対し強い警告を発した。一連の会談は、韓米日の結束を固めるとともに中国を引き寄せ、核テロ防止に向けて話し合うサミット参加国(53カ国)に積極的な協調を呼びかけることで、国連安全保障理事会の制裁決議7220の徹底履行を後押しするものともなった。
核安全サミット機会に
韓米日首脳会談後の共同記者発表で朴大統領は、北韓に対し「米日首脳とともに、国際社会が挑発を決して座視しないこと、再び挑発すればより厳しい制裁と孤立に直面するほかないことを改めて警告する」と述べ、「重要なのは安保理決議を徹底履行することで、核を放棄しなければ生き残れないことを北韓に気づかせること」だと強調した。
朴大統領は続けて「韓米日は安保理決議の履行だけでなく、各国独自の対北韓制裁を有機的に連結させると同時に、圧力をより実効あらしめるよう国際社会との連携をいっそう強化していく」と表明した。
安倍首相も「日米韓があらゆる分野での協力を確認したことは大きな成果だ」と表明、国際社会が一丸となって対北韓制裁の実効性を高めるために「制裁に関する国内法の整備などが遅れている途上国を支援する」との考えを示した。
オバマ大統領は「3カ国の安保協力は必須だ。協力することで北韓による核拡散や脅威を抑えられる」とし、「3カ国協力をさらに深めれば核のない韓半島をつくることができる」と言明、韓日両国が安保の面でも結束をより強化するよう促した。
3首脳は、北韓の人権問題の解決に向けた努力を強化することでも一致したほか、外務・防衛当局で安保分野の協力強化策を検討するため、次官級協議の開催を指示することで合意した。北韓の軍事情報を速やかに共有する必要性はいつになく高まっており、韓日間で懸案となってきたGSOMIA(軍事情報包括保護協定)の締結交渉が本格化しそうだ。
韓米日首脳会談は2014年3月以来であり、北韓による4回目の核実験以降の緊迫する状況下で意思疎通を密にした意義は大きい。
3カ国会談についで注目されたのが韓中首脳会談だ。北韓が核実験を強行した後しばらく、中国は韓国との電話会談に応じず、韓中関係の不透明さがあらわになった。韓国でTHAAD(高高度ミサイル防衛システム)導入論議が本格化したことに、中国が反発したのが要因とされる。
朴大統領と習近平主席との電話会談が実現したのは2月5日だった。中国は安保理の決議7220に加わったのに続き、今回の韓中首脳会談にも積極的に応じたことで、THAAD問題がトゲになってはいても、韓中関係の修復と対北韓制裁で共同歩調をとる意思は不変であることを示したものと解釈されている。
その中国に対する北韓の反発も強まっている。労働党は安保理が決議7220を採択してすぐ、名指しはさけながらも中国を念頭に、「すべての党員と労働者は、社会主義に背を向けた圧迫政策を核による爆風の威力で断固打ち砕こう」などと呼びかけた。3月29日には、中国との国境近くに短距離ミサイルを着弾させる挑発にも出た。
その一方で北韓は、「革命の道は遠く険しい。草の根を食まねばならない苦難の行軍を再び行うこともあり得る」(労働新聞3月28日付)などと、大量の餓死者を出した90年代後半と同様の厳しさを覚悟するよう求めた。
一連の首脳会談が制裁包囲網をより整備・強化する効果をあげたのは間違いなく、5月7日の第7回党大会を前にした北韓にとってもう一段の圧力加重となった。
(2016.4.6 民団新聞)