掲載日 : [2015-12-09] 照会数 : 4471
DMZでも共同発掘を…南北跨ぐ「弓裔都城」
[ ■弓裔都城 後高句麗(泰封国)を立てた弓裔が905年、松嶽(開城)から鉄原に都を移し造った。外郭城12・5キロメートルと内郭城7・7キロメートルで総面積が9500万平方メートルの大きな都城だった。918年に王建によって廃位される時まで使われた。現在、DMZ内にあり、調査がなされていない。 ]
与野党議員討論会共催「平和・協力の象徴に」
与野党議員と歴史学者らは1日に国会内で開かれた「非武装地帯(DMZ)平和利用と南北の歴史文化交流」討論会で、現在実施されている北韓地域の開城満月台(高麗王朝の宮殿跡)南北共同調査に続き、鉄原DMZ内にある「弓裔都城」の南北共同調査の必要性を確認した。後高句麗(泰封国)の都城である「弓裔都城」は、6・25韓国戦争当時の激戦地「鉄の三角地帯」(鉄原・金化・平康)に位置しており、共同調査が実現すれば、戦争と分断・冷戦の負の遺産であるDMZが「和合と平和・協力」の象徴に変わると参加者らは期待を表明した。
「開城満月台」に続き
討論会を共同主催した元惠榮議員(新政治民主連合)は開会辞で「鉄条網内にある弓裔都城の発掘で南北交流協力に大きい端緒を開くことができ、朴槿恵大統領が重要な政策課題として推進するDMZ平和的利用および世界生態平和公園造成の最も良いモデルになる。この事業が推進されれば切断された京元線鉄道(ソウル〜元山)の復元も拍車をかけることができる」と強調した。
国防文化財研究院院長は、「弓裔都城は歴史性、調査の長期波及効果、北韓との合意可能性などにおいて、南北共同調査に適した遺跡だ。共同調査は、私たちが同じ歴史共同体という認識を悟らせる契機になる。民族に与えられた時代の使命だ」と必要性を力説。「調査に終わらず、復元も考慮する必要がある」と表明した。
前国立文化財研究所所長も「弓裔都城の発掘と復元を介して、南北共同の文化遺産の調査を通じた民族同質性の回復、加えてユネスコ世界文化遺産登録など世界的な観光資源化が期待できる」とし、「(仮称)泰封都城南北共同発掘と復元協議会」の構成を提案した。
討論者として参加した統一部交流協力局長も「南北関係が難しい状況でも、歴史文化交流は続けてきた。弓裔都城調査も南北が共同で推進できる重要なアイテム」だと指摘した。
羅卿 国会外交統一委員会委員長(セヌリ党)は「南と北の交流多角化のためにDMZ内文化遺産発掘および研究分野の協力が重要だ。非政治的な主題を通じて南北が和合の契機をつくらなければならない」と述べた。
討論会には、崔文洵江原道知事、鉄原郡守なども参加した。
(2015.12.9 民団新聞)