朴槿恵大統領は9日、韓国をはじめ米国、中国、日本、ロシアなどアジア太平洋地域の30カ国・地域の国防次官級、国連や欧州連合(EU)など4つの国際機関の代表、学識経験者ら約470人が参加して開幕した「第4回2015ソウル安保対話(SDD)」に出席し、「世界平和と韓半島統一に向けた多者安保協力」をテーマに基調演説を行い、各国の支持を要請した。
朴大統領は「政府は北韓核問題をはじめとする韓半島安保危機の根源的解決のために、韓半島信頼プロセスを一貫して推進してきた。韓半島に平和を定着させることが東北アジアとユーラシアを越えて、人類共栄の未来を完成する最後のパズルピースになる」と強調した。
また、昨年3月のドイツ訪問中に発表した「ドレスデン構想」に言及、「北韓も実現不可能な核開発と経済発展並進路線から脱して、開放・改革を通じて真の発展の道に方向転換すべきだ。南北軍事的信頼構築と軍備統制、韓半島非核化のために、北韓はわが政府だけでなく国際社会と対話し交流して、正常な解決方法を追求していくべきだ」と促した。
さらに「韓半島の統一は北韓の核問題と人権問題の根本的な解決策であり、20世紀冷戦の歴史を終息させる。私たちは『戦争でなく平和』『分断でなく統一』の道にともに進まなければならない」と強調。「ソウル安保対話が持続的な発展を重ねて今後世界平和と韓半島統一の基盤となる『多者安保対話体』へと発展することを期待する」と表明した。
朴大統領は東アジア地域情勢と関連、「経済を中心に緊密な交流協力が増進されてきたが、領域内葛藤を解消して平和と安定を定着させることができる安保協力メカニズムはまだ築けていない」と指摘。「私が中国を訪問した時、習近平主席に『韓中日3国首脳会議』を提案して合意をみたのも、東北アジアの平和定着が切実だったためだ。東北アジア諸国が多次元的協力を活性化し経済・社会的協力をより増進させ、地域安定と共同発展の好循環をつくることを願う」と表明した。
「ソウル安保対話」は、アジア太平洋地域の軍事的な信頼構築と相互協力を目指し、韓国が主催する多国間安保協議。4回目を迎えたが大統領が出席したのは初めて。
(2015.9.16 民団新聞)