掲載日 : [2016-02-10] 照会数 : 6892
<金剛学園>歩いて探す韓国ゆかりの歴史、文化財…生徒目線でガイドブック編集
[ 教材の編集に加わった6人の企画委員たち ]
京都・奈良・大阪編
【大阪】金剛学園小・中高等学校(趙栄吉理事長、成始烈校長、大阪市住之江区)はこのほど、関西地域の韓国関連文化財を紹介した独自の教材『関西で韓国を歩く』(韓日対訳、130㌻、非売品)を制作した。同校が14年に発刊した『京都、大阪とともにする韓国史』は「政治史」を中心とした内容だったのに対し、今回は「文化史」がテーマ。4月から同中学校の授業「韓国文化」で教科書として使用する。
新学期から使用
京都、奈良、大阪にある韓国ゆかりの代表的な歴史・文化財を紹介した。それも、古代から近・現代まで幅広いスパンで選んだ。ハンディタイプなので、生徒が旅行の際にガイドブックとしても携行できる。
京都編では広隆寺宝物館所蔵の弥勒菩薩像、平野神社、耳塚、浮島丸殉難者追悼の碑など。奈良編には石舞台古墳、飛鳥寺、高松塚古墳、生駒トンネル、柳本飛行場跡など。大阪編を見ると王仁博士の墓、仁徳天皇陵、朝鮮通信使のほか、民団大阪本部にも言及している。
編集の中心となったのは同校の成校長と許俊龍先生。さらに、京都国際学園の河東吉校長が外部専門家兼共同研究員として加わり、チームを構成。夏休みを利用して実地踏査を重ね、執筆した。
成校長は、「生徒たちがこの本を持って直接現地を訪ねていくことを前提に、私たちも極力、公共の交通機関を利用、あるいは徒歩で移動した。臨場感を持たせるためであり、写真も自分たちで撮影した。炎天下で大変だったが、生徒たちがいにしえの韓日交流に思いを馳せてくれると思ったら、やりがいのある活動だった」と振り返った。
監修は韓国大田大学歴史文化学の金甲童教授。完成した原稿はそれぞれ韓日両国語に翻訳し、両語併記の草稿を企画委員として編集に加わった同校生徒6人が、学習者目線で念入りにチェックした。
教材制作とそれに付随する一切の費用は大韓民国教育部の負担。同校が在外韓国学校教授学習資料の開発に向けた事業に応募し、審査のうえ採択された。これは『京都、大阪とともにする韓国』に続き2年連続となる。
4月から中学1〜3年の正課「韓国文化」の時間に、全学年共通の教科書として使用するほか、生徒の体験学習や遠足にも教材として活用していく。民団大阪の各支部、府内の民族学級、韓国教育院などには無料で配布していく予定。
(2016.2.10 民団新聞)