掲載日 : [2020-11-26] 照会数 : 5007
「朝鮮通信使」足跡たどる…建国高校が全国フィールドワーク
[ 朝鮮通信使の宿館だった東京浅草の東本願寺 ]
白頭学院建国高等学校(高敬弼理事長、李鐘建校長)は10月末から1カ月間、日本各地に残る朝鮮通信使の史跡をめぐる全国規模のフィールドワークを開催した。学生たちの「朝鮮通信使のことをもっと知りたい」という探求心がきっかけとなった。約50人の学生が5~6人のグループに分かれ8地方を探訪した。
栃木・東京編には生徒6人が参加。14日は日光を訪れ、東照宮をはじめ、朝鮮通信使を迎え入れた江戸幕府を象徴する文化財を見学。翌日は都内を回った。
台東区浅草の東本願寺はかつて朝鮮通信使が宿泊所としたところ。朝鮮通信使がユネスコの世界遺産に登録されてからは寺の前に説明パネルが設置されている。案内した法政大学兼任講師の魏聖銓さんは「これまで韓日の市民団体が協力して通信使の足跡を調べてきた。その過程で、これまで歴史に埋もれていた部分にも光が当たるようになった。学生たちにはそういったところを見てもらいたい」と期待を寄せた。
学生たちは調査結果をまとめ、今年度中に校内でパネル展示を行う予定。李校長は「学術的な研究ではなく、学生たちが歴史に興味を持つ。そんな内容にしたい」と語った。
参加者は「今まで通信使を歴史の授業だけでしか聞いたことがなかったけど、当時の足跡が日本に残っていると知って驚いた」と振り返った。パネル展示についても「動画なども使って下級生たちが自分たちも行きたいと興味を持てる内容にしたい」と意気込んだ。
(2020.11.25 民団新聞)