

井上代表は「2体の遺骨のDNA調査を日韓両政府が行うことを発表したが、遺族のDNAデータと照合して身元が判明することを願う。(2月7日に発生した台湾人ダイバーの潜水中の事故死を受けて)会では一年喪に服すことを決めたが、私たちは決して遺骨収容プロジェクトを止めることはしない。日韓の未来を作っていくためにも、両政府に遺骨調査の英断を求めていく。今後も全力でともに歩んでいきたい」とあいさつした。
今後の運動方針については、政府交渉として①日韓の運動でシャトル外交での政治的合意の前進に集約していく②DNA共同鑑定の速やかな実施と日韓政府による遺族への遺骨返還の実施③政府の責任による遺骨収容の実施④日本政府に提案した本坑道の上からの穴をあけた安全な遺骨収容⑤(炭鉱周辺の陸地に埋葬された可能性がある)21人の犠牲者の遺骨調査への協力要請、などが挙げられた。
続いて坑口からピーヤにつながる一帯を「長生炭鉱海の墓標公園(仮称)」と名付けた平和公園にするため、老朽化が進むコンクリート製のピーヤ(排気・排水筒)の補強工事を進める必要があり、費用や方法の調査を進めていくことが報告され、了承を得た。
総会では、日本長生炭鉱犠牲者韓国遺族会(楊玄会長)から「長生炭鉱の悲劇は、決して忘れてはならない歴史的事実です。今後も皆様と共に真実を明らかにし、犠牲者の名誉回復と遺骨奉安が実現できますよう、改めてお願い申し上げます」とのビデオメッセージが紹介され、会場から大きな拍手が寄せられた。
続いて行われた記念講演では、戸塚悦郎弁護士が「日本政府はILO(国際労働機関)が定める強制労働条約に批准(1932年)しており、長生炭鉱における韓半島からの強制連行被害者も『戦時産業強制労働』の被害者に含まれていると考えることもできる。日本政府が、適用除外事由があるとの主張をすることはできない」と報告した。
ディスカッションでは男子高校生が、「長生炭鉱の話を聞いて、学校でも習ったことがなく衝撃を受け、今日参加した」と話した。
在日の参加者からは「自分の子どもが大きくなったら、長生炭鉱のことを伝えたい」などの声が寄せられた。
最後に祖父が事故で犠牲になった日本人遺族の女性が、「祖父は鹿児島出身だが、なぜ宇部の長生炭鉱で働くようになったのか、家族はだれも知らない。会の尽力でDNA鑑定につながったことを感謝し、遺族のひとりとして出来ることをしたい」と話した。
婦人会全国大研修会(6月3日~7月10日)の東北・関東・近畿A、近畿B地協で井上洋子代表が講演を行い、全国の婦人会メンバーに遺骨収容プロジェクトの現状と課題について報告する。
1942年2月3日、長生炭鉱(1932年から本格的に操業)の海底に延びた坑道のおよそ1㌔沖合で水没事故(水非常)が起き、183人の坑夫たちが亡くなった。そのうち7割の136人が朝鮮人労働者だった。日本の市民有志らによる「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」は、その遺骨収集に長年取り組み、昨年8月、そして今年2月と2体の遺骨を収容した。