

『証言・北朝鮮帰国者‥祖国に渡った「在日」はどう生きたか』の刊行記念シンポジウムが6日、早稲田大学戸山キャンパスで開催。早稲田大学韓国学研究所、「北朝鮮帰国者」の記憶を記録する会、アジアプレスが共催し、約150人が参加した=写真㊤。
第1部では刊行報告が行われ、合田創氏(「記録する会」代表理事)が2018年の会設立から証言記録集が出来るまでの経緯を語った。
石丸次郎氏(アジアプレス大阪オフィス代表)は帰国者の暮らしについてスライド写真を見ながら説明した。
続いて日本で帰国家族の帰還運動を展開してきた全文子氏と、1960年に帰国して脱北した梁敏雄氏が自らの体験を証言した。
第2部では金敬黙氏(早稲田大学教授)の司会で「帰国者の50年の生をどう見るか」を主題にシンポジウムが行われた。
石丸次郎氏が「帰国事業を記録・研究する現代的意義」について発表し、現在進行形の問題として昨今の排外主義との関連性などを強調した。
続いて高柳俊男氏(法政大学教授)と朴正鎮氏(津田塾大学教授)のコメントと討論が行われた。証言集の一次資料としての重要性、当事者たちの生活史としての意味、帰国・帰還・北送などの用語の問題などが議論された。
『証言・北朝鮮帰国者‥祖国に渡った「在日」はどう生きたか』(集英社新書、「北朝鮮帰国者」の記憶を記録する会編、536㌻、税込1870円)。1959年から25年間に渡り行われた「北朝鮮帰国事業」で、日本国籍者約6800人を含む9万3340人が日本から北朝鮮に渡った。〝地上の楽園”という宣伝に望みを抱き、〝祖国”へ渡った人々を待っていたのはどんな暮らしだったのか。脱北した帰国者50人への詳細な聞き取りにより、日本における厳しい民族差別、〝北への帰国”を決意するまで、〝帰国〟後の労働・衣食住・教育の実情、現地住民との関係、厳しい統制と監視・密告、政治犯収容所での体験、在日マネーと日本文化の流入、大飢饉から脱北へ至る過程などが初めて詳細に語られる=写真㊦。