掲載日 : [2018-10-31] 照会数 : 5638
徐龍達名誉教授、母校で半生語る…「無窮花章」受章記念
[ 半生を語った徐龍達名誉教授 ]
【大阪】桃山学院大学の徐龍達名誉教授(86、奈良県)が25日、母校の大阪市立大学田中記念館で「日本の国際化へのわが三段跳び人生-差別克服がもたらした韓国勲一等受章の社会的意義」と題して語った。同大の2018年度「産業政策特殊講義1」のなかの一つ。
「ホップ」で語ったのは大阪市大4回生のときに自ら設立にかかわり、今日まで61年間継続している育英事業「在日韓国奨学会」。きっかけは在学中、奨学金を申し込んだ日本育英会から国籍を理由に断られたため。
「ステップ」は日本の国公立大学外国人教員任用運動。日高六郎、飯沼二郎教授らも支援して「定住外国人の大学教員任用を促進する会」が発足、82年には「国公立大学外国人教員任用法」を獲得した。国公立大学の外国人教授採用数はゼロから約3400人に増えた(17年12月現在)。
「ジャンプ」では道半ばの「定住外国人の地方参政権獲得運動」について触れ、最後に持論の「アジア市民」社会へのビジョンを語った。
徐さんはこの間の業績が認められ昨年、韓国政府から国民勲章「無窮花章」を受章した。学者出身としては初めての栄誉だった。講義を終え「受講した約250人の日本の学生たちに在日韓国人の置かれた状況を少しでも理解させたかった」と久しぶりに教壇に復帰した動機を語った。
(2018.10.31 民団新聞)