掲載日 : [2020-02-27] 照会数 : 6767
県立尼工「朝鮮語」授業、23年度にも復活へ
[ 県立尼崎工業高校 ]
【兵庫】兵庫県立尼崎工業高校で一度は2019年度限りの廃止が決まった朝鮮語授業が、早ければ4年後の23年度にも復活しそうだ。矢部宰文同校校長が19日、復活要望書を持参した有志一同との面談に応じ、口頭で意向を明らかにした。
「廃止」から一転、要望実る
最初に同校朝鮮文化研究部OB一同を代表して孫敏男さん(74年卒業、朝鮮文化研究部部長=当時)が、「朝鮮語授業は尼崎に多く暮らす在日韓国・朝鮮人への相互理解、多文化共生教育、隣国への相互理解など多方面にわたり卒業生の心に残る多大なる功績を残してきた」と意義を強調し、授業の再開を要望した。
これに対し、矢部校長は「高等学校学習指導要領改訂の2022年度入学生の2年時の選択科目として復活を考えている」と話したという。この日の話し合いに同席していた「尼工朝鮮語復活を求める有志一同」の関係者が明らかにした。具体的には2年生の選択群の一つに専門科目以外の教養的なものを設け、朝鮮語1、もし可能ならば中国語なども選べるようにしたいと考えているようだ。3月25日までに文書で正式回答する。
同校の朝鮮語授業は75年度から続いてきたが、17年度になって当時の校長が「英語を使う仕事が社会で増えている」などとして外国語授業の位置づけの見直しを表明。翌18年度の入学者が2年に進級した際、選択科目から朝鮮語を外し、代わりに英語の授業を充てると県教委に届け出た。生徒が朝鮮語授業を選択できない20年度以降は神戸韓国教育院の協力を得て韓国文化体験教室を実施する方針だ。
(2020.02.26 民団新聞)