掲載日 : [2019-12-04] 照会数 : 7083
高校韓国語教育ネットワークが創立20周年大会…2020年度計画策定
[ 在日本韓国YMCAでの授業実践交流(1日) ]
独自の検定模試を実施…韓国語教育実情調査も
「高等学校韓国朝鮮語教育ネットワーク」(石黒みのり会長、略称JAKEHS)が11月30日、東京・新宿の駐日韓国文化院で創立20周年記念全国学術大会を開いた。大会では過去20年間の歩みを振り返った。また、今後の20年を見据えた新たな目標も確認した。大会には韓国語教育に携わる中等教育の教員などが全国から参加した。
「ネットワーク」が誕生したのは1999年8月19日。東京で開かれた研修会で出会った韓国語教師の熱い出会いから生まれた。
当時は国際理解教育の観点から授業で韓国語を教える高校が増え、全国で165校を数えていたとき。一方で担当教員は雇用と身分が不安定な非常勤講師が大多数だった。指導要領がないなど課題が山積するなか、担当者の孤軍奮闘が続いていた。
ネットワークが発足すると年1回の全国大会のほか、東、西、南の3ブロックで授業実践交流と情報交換を始めた。こうしたなか、韓国語の教員免許プロジェクトが生まれ、独自の教科書・教材開発にも携わってきた。
来年1月には高校での学習状況を反映した検定模擬試験を実施する。対象は履修歴1年未満の初級学習者で、すでに全国35校860人から申請を受けている。また、20年度からは高等学校での韓国語教育実情調査にも本格的に取り組む。調査結果は日本韓国語教育発展の重要な基礎資料となるものと期待されている。
都立日比谷高校などで韓国語を教えている武井一さんは01年当時の受講生と対談。高校で韓国語を学ぶことの意味について、「第2外国語は生徒の関心を広げる触媒」「単に韓国語を学ぶだけでなく、学習を通じてその人の人格形成を目指さなければならない。キャリア形成もその一環である」と結論付けた。
翌1日は東京・千代田区の在日本韓国YMCAを会場に授業実践報告があった。
(2019.12.04 民団新聞)