掲載日 : [2018-03-07] 照会数 : 5443
近隣住民理解へ餅つき大会行う…善隣厚生会
[ 社会復帰を目指す保護対象者も加わった餅つき
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法務省保護局所管の更生保護法人善隣厚生会(李秀夫理事長、東京・渋谷区)が2月18日、新春恒例の餅つき大会を行った。地元保護観察所に事務局を置くボランテイア組織「渋谷区BBS会」との共催。
地元の保護司仲間や更生保護女性会、さらには同施設で自立を目指す保護対象者も加わり、約30キロの餅をつきあげた。渋谷区からは長谷部健区長が参席。丸山高司区議会議長や区議会議員3人とともに見守った。
餅つき大会は施設への理解を深めてもらおうと21年前から始まった。かつては施設の全面建て替えに際して近隣住民による反対運動が起こり、移転を求められることもあったが、餅つき大会が定着してからはそうした苦情はなくなったという。
施設が大規模災害時に地域の炊き出し拠点としての役割を担っていることも地元町内会から好感を持って受け止められているようだ。昨年は「AED」を設置し、保護対象者と職員が消防署職員から年2回の講習を受けている。
善隣厚生会は解放直後の混乱のなか、生活に困窮した在日韓国人を生業に導こうと1948年に発足。当時は診療所も併設していた。苦しい中でも生活に落ち着きが見え始めた50年からは刑務所などを出所し、行くあてのない人を援助する更生保護事業を始めた。戦時中、旧日本軍の軍属傭人として徴用され、東南アジア各地で連合軍捕虜の監視員を務めたことから捕虜虐待の罪に問われた韓国人元BC級戦犯も巣鴨プリズンから釈放された直後、身を寄せた。
(2018.3.7 民団新聞)