掲載日 : [2020-09-16] 照会数 : 5942
ムクゲ自然公園に「丹心亭」韓国山林組合中央会が寄贈
[ 創設者、尹炳道さんの愛国心を称える「丹心亭」 ]
在日1世の愛国心称える
【埼玉】韓国を象徴する無窮花10万本が咲き誇る「四季の里 ムクゲ自然公園」が秩父郡皆野町の新たな観光スポットとして注目されている。無窮花は秩父を北から南方面に向けて一望できる稲穂山の斜面に色とりどりの花をつけている。
シーズンは7月から9月まで。このほか、2月には幻の福寿草ともいわれる「秩父紅」が雪の合間をかき分けてひょっこり顔を出す。秋にはヒガンバナと、1年中各種の花が咲く。
在日1世の「花咲爺さん」こと故尹炳道さんが地元皆野町の観光名所にと約30㌶の山をまるごと買い取り、およそ30年の再月をかけて創設した。開園は2002年4月。
尹さんの他界後、「ムクゲ自然公園」の存在を知った韓国山林組合中央会(李錫炯会長)は尹さんの「一途な愛国心」を称え、1年目に韓国風のあずまや「丹心亭」、2年目には幸せを呼ぶソッテ(長竿の上部に鳥のついた神杆)、3年目に園内マップと一昨年までに3年連続して公園の整備に尽くしてきた。
入り口には案内所「森のホール」。ここは休憩所を兼ねており、グラスアート、押し花、藍染め、リースつくり、切り花などのイベントを毎日開催している。山の中腹には絵画のみならずさまざまなアートの展示を行う美術館も。ハイキングコースをたどって展望エリアまで1周するには約30分ほどはかかる。足場は決して良くないが、随所で花咲く無窮花に慰められる。
尹さんの他界後、公園の管理を一手に担う次女の長谷川信枝さんは「ここで在日同胞が母国を思い出して憩えることができれば」と話している。
西武鉄道終点「秩父駅」乗り換え。秩父鉄道「御花畑駅」から羽生・熊谷行きに乗車し「皆野駅」で下車。駅前でTAXIに乗れば5分。「ムクゲ自然公園」(0492・62・1688)。
(2020.09.16 民団新聞)